SABIC、欧州の厳格な新防火基準に準拠する新LEXAN™ FSTコポリマーが、鉄道座席用途で独グランマー社に採用

SABICのLEXAN? FSTコポリマーが、独グランマー・レールウェイ・インテリア社のファーストクラス車両用座席に採用2012年12月4日 – SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、同社の新製品「LEXAN™ FSTコポリマー」が、独グランマー・レールウェイ・インテリア社(以下グランマー社)のファーストクラス車両用の堅牢な座席背もたれのシェルとサイドカバーに採用されたことを明らかにした。このグランマー社の新しい鉄道座席は、2015年に欧州で導入が予定されている新防火基準CEN/TS(欧州標準化委員会/技術仕様書)45445に準拠する。これら鉄道座席部品は、CEN/TS 45445-2の最高ハザードレベル評価(HL3)の要件に適合するSABICのLEXAN FSTコポリマーを用いており、新たな欧州基準の発効に2年先駆けて開発されたものである。LEXAN FSTコポリマーの採用によって、グランマー社は既存金型の利用が可能となったためコストを抑えることができ、また同コポリマーが非常に高い流動性を有することから、射出成形によって高品質な外観を持った大型部品を得ることができる。この画期的な製品であるLEXAN FSTコポリマーは、お客様の市場競争力の強化や事業戦略上の目的達成を可能にすると共に、個別ニーズに対応するため鉄道産業のお客様との密接な協力体制を重視するSABICの姿勢を示すものである。
グランマー社の新製品は9月18日から21日まで独ベルリンで開催された「InnoTrans 2012展」で展示紹介された。

グランマー社のゼネラル・マネージング・ディレクターであるローサー・ウィンハードは「最新のファーストクラス車両用座席の開発には、いくつもの課題がありました。当社では、新たな防火基準の発効に先駆けた基準への準拠に加え、実際に新基準が実施された際にお客様のニーズがどのようなものになるかを予測する必要がありました。またこれに伴い、射出成形機の再設定とデザイン変更に向けた大規模投資の必要に迫られるのでは、という懸念もありました。しかしながら開発の各段階においてSABICと協力したことで、最終的には、容易に置換え可能な原料ソリューションとしてLEXAN FSTコポリマーの開発により、お客様の将来の要望に前もって対応することが可能となりました。さらには、座席のデザイン性を高めると共に、新基準の発効前に要求事項へ適合するという当社の目標を達成することができました。」とコメントしている。

イノベーティブプラスチックス事業、欧州スペシャリティ・ビジネスのゼネラルマネージャーであるイルクナー・グールは「グランマー社との数年にわたる共同開発は、当社の鉄道業界に対する長期的なコミットメントに加え、厳しさを増す安全基準にお客様が常に対応できるよう、先を見越して取り組む当社の姿勢を示す好例です。当社の新製品であるLEXAN FSTコポリマーは、現時点でCEN/TS 45445に最高レベルで適合する最初の素材の一つです。また本製品はデザインの柔軟性、カスタム仕様のカラー、優れた加工特性を提供します。この革新的な材料は明らかに最善の選択肢といえるでしょう。この製品によってSABICは、グランマー社をはじめとする多くのお客様が期待する様々な性能特性や利点を提供することができます。」と述べている。

次世代防火安全基準に準拠

2015年に新しいCEN/TS 45445基準が欧州で発効されることで、新基準に準拠する素材が見つからない限り、座席メーカーは熱可塑性樹脂の使用を中止しなければならない可能性が出てきた。この課題に対処するためグランマー社はSABICにサポートを依頼した。両社は新基準が求める要件への準拠だけでなく、グランマー社の既存デザインと金型を維持できるソリューションを見出すために共同開発を行なった。

独カレンタ研究所による独立試験の結果、LEXAN FSTコポリマーは、新基準において最も達成困難なハザードレベルであるHL3の要件に適合していることが立証されている。このコポリマーは地球に優しい難燃性技術を特徴とするほか、低放熱性も備えている。またLEXAN FSTコポリマーは高い流動性を持つため、グランマー社の座席背もたれのシェルなど大型の射出成形部品に適しており、加えてSABICのColor Xpressサービスによってカスタムカラーを利用することができる。

 

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