SABIC、北米において拡大する自動車OEMのPP需要に応えるため、 米国でPPコンパウンド工場を本格稼働

SABICのミシシッピー州ベイセントルイスコンパンド工場2011年11月18日 – SABICのイノベーティブプラスチックスは、米国のミシシッピー州ベイセントルイスの製造拠点で、特殊ポリプロピレン(以下PP)コンパウンド生産を正式に開始したことを明らかにした。新しい特殊コンパウンドの設備は、様々な自動車用途で使用されるSABICR PPコンパウンドとガラス長繊維を充填した(LGFPP)コンパウンドであるSABIC STAMAX*を生産する。SABICの新しいPP事業は、品質の安定したPP樹脂のグローバル供給を強化することで、地域および国際的な車両プラットフォームの生産を支援し、加速を続ける自動車OEMによる需要に応える。同コンパウンド設備の開設は、過去17ヶ月間においてSABICがオープンした2番目のPPコンパウンド施設であり、2010年6月にオープンしたベルギー・ゲンク工場に続くものである。SABICのPP投資は、自動車OEMが重量軽減を追求し、また車両の燃費低減の改善達成を支援する高性能素材を提供することに対する当社の取り組みを表すものである。

SABICのミシシッピー州ベイセントルイスコンパウンド工場での製造風景「変化の速い今日の自動車業界における新しい課題や需要に対するお客様の対応を支援するために、当社は引き続き努力しています。課題の1つは、多くのOEMがグローバル車両プラットフォームに移行していることであり、その結果、複数の地域での仕様を満たす高品質で一貫性のある素材が求められていることです。ベイセントルイスへの投資により、グローバル顧客、その顧客のエンジニアチームそして部品サプライヤに対する需要を満たすだけでなく、グローバルにおける迅速な対応を提供できる当社の能力が大幅に強化されたと自負しております。」と自動車部門担当副社長であるグレゴリー・A・アダムスはコメントする。

SABICイノベーティブプラスチックスは、ヨーロッパ最大のPPコンパウンド工場であるゲンク工場のデザインおよび技術を活用して、ベイセントルイスにおける新しいPP生産設備を開設した。世界規模のゲンク工場は、PPコンパウンドをヨーロッパに、またSABIC STAMAXガラス長繊維PPコンパウンドをヨーロッパおよびアジア太平洋地域に供給する。ゲンク工場には、新製品の開発サイクルを短縮するため、また生産工程の改善を迅速に行うために3本のパイロットラインを備えたコンパウンドイノベーションセンターもある。

「ベイセントルイスへの投資は、ヨーロッパおよび世界各地で蓄積した当社の専門知識を北米に持ち込みました。その結果、この地域でのOEMへの供給能力や国際的に均一な素材仕様を満たすPP素材の供給能力が強化されました。今後、グローバルに展開する当社の自動車部門と世界各地に展開する用途開発センターにより、グローバルに供給できるPP製品を開発し、またこれらの素材認証の地域サポートを提供できる当社の能力を、多くのグローバルOEMに提供できるようになります。」と、イノベーティブプラスチックス自動車部門のPPグローバルリーダーであるレオン・ヤコブスはコメントする。
自動車におけるPP素材の用途拡大
自動車業界におけるPP素材は、過去数十年間にわたり安定した成長(年平均3~5%)を続けており、様々なパーツおよびコンポーネントで金属や他の樹脂の代わりに採用されている。PPの多用途性と使いやすさは、需要の拡大に寄与している。今日、PPコンパウンドは、バンパーフェイシア、インストルメント・パネル(IP)、ドアパネル、内装品、他のパーツ等、多くの自動車用途における代表的なソリューションである。ヨーロッパにおけるOEMでは、2000年初頭、フロントエンドモジュール、ドアモジュール、IPキャリア、テールゲート、シートフレーム等の大きな成形品に初めてSABIC STAMAX LGFPPコンパウンドが採用された。優れた強度、寸法安定性、薄肉構造部品の成形に必要な高い流動性を備えたSABIC STAMAX LGFPPコンパウンドを世界各地のOEMが選択するようになり、需要は継続的に拡大している。

SABIC STAMAX LGFPPコンパウンドには、自動車用途において、他の素材に勝るいくつかの利点がある。鉄に勝る軽量化および耐腐食性、射出形成できるため圧縮形成素材よりも自由なデザインが可能、最終加工数が少ないため低コスト、高い耐熱たわみ温度、低い熱膨張率、高剛性、耐衝撃性および引っ張り強度、および低いクリープ性などがある。

「自動車メーカーは、過去30年間にわたり当社のPP樹脂を使用することで大きな成功を享受しています。当社は、NAFTA諸国のお客様がこの実績のあるPPソリューションのポートフォリオを様々な自動車市場での自動車開発に活用できるように支援を行っています。また、自動車デザインにおけるこれらの素材の新しい機会をOEMが模索している現在は、弊社にとってOEMをサポートする絶好の時期と言えます。」と、ヤコブスは付言する。

「PPや様々な熱可塑性樹脂に対する新しい機会が広がりつつあります。ハイブリッド自動車や電気自動車のコンポーネント、熱が重要因子でないボンネット内部、および軽量化およびコストを削減するためにPPを使用した部品統合できるような構造部品などです。」

SABICの自動車向けのプラスチック製品ラインナップは、業界で最も幅広くまた多様性に富んでいる。PP素材に加え、様々なエンプラ樹脂も含まれている。合計すると、これらの樹脂は、今日自動車製造に使用されるプラスチックの60%を占め、また次世代自動車のための軽量化およびコスト削減を促進するための創造的な用途開発機会を提供している。

SABICの自動車向けの樹脂製品に関する詳細は、www.sabic-ip.comまたはwww.sabicauto.comをご覧ください。製品の技術情報に関する質問は、www.sabic-ip.com/prtechinquiryからお問い合わせください。

 

* Saudi Basic Industries CorporationまたはSABIC Petrochemicals B.V.SABIC Innovative Plastics IP B.V.の商標です。
® SABICおよびSTAMAXはSABICの登録商標です。