ビクトレックス社、APTIV®フィルムがレーザマーキング用粘着ラベルに採用

APTIVR Filmsを基材に用いたレーザマーキング用粘着ラベル耐熱性や耐薬品性に優れ、微細で鮮明な印字品質を実現

2011年1月17日 – VICTREX® PEEK™樹脂およびVICOTE®コーティング(ヴァイコート)、APTIV®フィルム(アプティブ)をはじめとした高機能性材料を販売するビクトレックスジャパン株式会社(社長:アンドリュー・ストーム、本社:東京都港区)は、粘着シートメーカーの株式会社倉本産業(代表取締役社長:倉本朝晴、本社:東京都豊島区、以下倉本産業)と協力し、VICTREX PEEK樹脂を原材料とする高性能熱可塑性フィルム・APTIVフィルムを基材に用いた微細レーザマーカ向け粘着ラベルを開発した。
本製品は倉本産業を通じて販売される予定で、耐熱性や耐薬品性が求められる電気電子部品や自動車部品、加えて高温の蒸気滅菌工程や薬品による洗浄工程での使用が求められる医療器具といった用途での需要が期待されている。

この粘着ラベルは、ビクトレックス社のAPTIVフィルムに倉本産業で開発した耐熱アクリル粘着剤を塗布した高耐熱性ラベル製品であり、オムロン株式会社(代表取締役社長:作田久男、本社:京都市下京区、以下オムロン)の微細レーザマーカ「MX-V1000」を利用して開発が進められてきた。色はVICTREX PEEK樹脂のナチュラル色であるベージュ色と白色の2種が利用でき、スチール、セラミック、ガラスといった様々な素材表面に接着可能である。製品厚みは粘着ラベルとして一般的な50μm厚を標準として25μm厚までの薄肉化に対応する。またラベル幅についてはユーザーの要望するサイズで提供されるが、今後、需要の多いサイズを標準品としてラインナップする予定である。

レーザマーキングはインクを使用しない、半永久的に印字が消えない、微細な印字が可能といった特徴から幅広い産業分野で利用されている。利用方法としては製品本体への直接印字が一般的だが、印字対象製品の大きさによっては設備が大掛かりになってしまう。このため、卓上型のレーザマーカで印字した粘着ラベルを製品に貼付する方法によって、少ない設備投資でレーザマーキングを利用する方法が広まっている。しかしながら、PETフィルムなどのこれまで一般的に利用されてきた樹脂製ラベルは、レーザの熱によるラベルの歪みや鮮明な印字品質が得られないといった点から微細な印字用途には不向きであった。一方、APTIVフィルムを利用して開発された粘着ラベルは、レーザの熱に耐えると共に鮮明で高品質な印字結果が得られる点が特長である。

倉本産業の佐藤靖夫 氏は「基材フィルムにAPTIVを用いた粘着ラベルは、微細で鮮明な印字が可能で、意匠性が求められるロゴやQRコードといった高精細な印字用途に最適です。APTIVフィルムは、原材料であるVICTREX PEEK樹脂が持つ高耐熱性、耐薬品性、耐スチーム性や機械的特性など複数の優れた物性を兼ね備えるため、過酷な使用条件が求められる用途に適しています。」としており、加えて「電気電子用途においては、粘着シートを内部コンポーネントに貼ることで耐衝撃性を向上させるといった使われ方もされており、こうした需要も期待されます。当社ではラベル形状やサイズなど、市場ニーズに併せて柔軟に対応していきます。」としている。

また、オムロンでレーザマーカを担当する和田光一 氏は「当社のMX-V1000はレーザ発振機にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)を用いる一般的なレーザマーカと異なり、高出力でビームを細く絞れるYVO4(イットリウム・バナデート)レーザを利用しているため、高品質な微細印字を特長としています。MX-V1000は台紙を残してシール層だけを切り抜くハーフカット加工が可能なため、印字と切断を1台のレーザマーカで処理でき、生産性の向上に加え設備投資やメンテナンスコストの低減が可能です。」とコメントしている。


倉本産業社について:
株式会社倉本産業は、粘着シート技術の分野におけるリーディングカンパニーとして、全国5ヶ所に展開するきめ細やかな販売体制とともに付加価値の高いサービスを提供している。同社の製品群は「セブンタック」のブランドで知られ、ラベルやステッカーの主流であるフィルム製品・積層品群を核に3000種以上を手掛けている。
www.7tak.co.jp/index.html

オムロン社について:
オムロン株式会社は、制御機器や電子部品、車載電装部品から健康医療機器や環境関連機器に至る幅広い産業分野で事業を展開している。同社は独自のセンシング&コントロール技術によって国内海外の様々な分野にソリューションを提供している。
www.fa.omron.co.jp/lm1