ソルベイ、電動モーター用マグネットワイヤーの絶縁材料として、単層被覆可能な新規キータスパイア® PEEKを上市

  • 単層の絶縁被覆ソリューションにより、従来のPEEKやエナメル絶縁被覆プロセスにおける銅線との密着性やサステナビリティーの課題が解消されます。

米国ジョージア州アルファレッタ、2023523日 – スペシャルティマテリアルズのグローバルマーケットリーダーであるソルベイは、このたび、電動モーターの銅線マグネットワイヤーの絶縁被覆用に新しいポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の押出用コンパウンド キータスパイア® KT-857を特別に設計し開発しました。このカスタムメイドの絶縁材料の開発は、消費者のEVの航続距離への不安を少しでも解消するために、より高密度のバッテリーや800V以上で動作する電動パワートレインに向けたOEMの動きによって推進されました。

ソルベイ_電動モーター用マグネットワイヤーの絶縁材料として単層被覆可能な新規キータスパイア PEEKを上市ソルベイマテリアルズの自動車部門のマーケティング責任者であるブライアン・バリーノは、「高電圧の電動モーターで使用されるマグネットワイヤーは、一般的に180ミクロンまでの厚い絶縁被覆が必要です。」と説明します。「ポリイミドを使用した絶縁被覆工程では、複数回の塗布工程が必要であり、層を重ねるにつれて欠陥が増える可能性があります。これに対し、PEEK樹脂による押出成形による絶縁被覆は一回の押出で可能ですが、標準グレードのPEEKを用いた 押出成形によるマグネットワイヤー製造の最大の課題は、銅線に対する絶縁被覆の適切なレベルの密着を得ることでした。ソルベイの開発した新規キータスパイア® PEEK KT-857のテクノロジーは、両方の課題を解消します。」

ソルベイの新規マグネットワイヤー用PEEK絶縁材料は、より速く、よりコスト効果の高い単層被覆の押出工程を使用することができ、優れた銅線との密着性を確保することができます。これに加え、重要なサステナビリティーの利点も提供することが可能です。単層絶縁被覆材の押出成形は、より少ないエネルギーで加工が完了し、エナメル工程とは対照的に、揮発性有機化合物(VOC)を使用する必要がありません。同時に、キータスパイア® KT-857は、より均一な膜厚の絶縁被覆形成が可能となります。

キータスパイア® KT-857は、ソルベイの高性能電動モーター専用ソリューションのポートフォリオを補完するものであり、この他に、スロットライナー用のAjedium PEEKフィルムとザイダー® LCP、高電圧コネクター、コネクションリング、バスバーに使用されるアモデル® PPAおよびライトン® PPS樹脂、そしてスロットウェッジ用のXencor (長繊維熱可塑性樹脂)があります。

5月23日から24日までベルリン(ドイツ)で開催される CWIEME のホール 4.2 、ブース 42D52にて、ソルベイのエキスパート・チームが皆様をお待ちしております。

Ajedium®, アモデル®, キタスパイア®, ライトン® および ザイダ® は、ソルベイ社の登商標です。
Xencorは、ソルベイ社の登商標です。