SABIC、PCRオーシャンバウンドプラスチックをマレーシアSCIENTEXグループに供給し世界初のPPフレキシブル食品包装の開発を支援

  • パッケージに認定済みPCRプラスチックを30%使用した高級インスタント麺が、マレーシアの大手小売店で発売を開始
  • バリューチェーンの連携によって、オーシャンバウンドプラスチック(OBP)を高品質なフレキシブル包装に転換

日本・東京、2023年1月10日 – 化学業界のグローバルリーダーであるSABICは、マレーシアのパッケージングメーカー・Scientexと包装素材のバリューチェーンで協業し、オーシャンバウンドプラスチック(OBP)を高度にリサイクルして作られたSABIC®の認定済み再生ポリプロピレン(PP)を使用した世界初のフレキシブル食品包装の素材開発を実現したことを明らかにした。この素材は、マレーシアで販売開始された高級インスタント麺のパッケージに使用されている。

SABIC_PCRオーシャンバウンドプラスチックを用いたPPフレキシブル食品包装の開発を支援SABICでETP&マーケットソリューション部門のゼネラルマネージャーを務めるAbdullah Al-Otaibiは、「私たちは、川や海に流れ込む可能性があるプラスチック廃棄物を削減する循環型ソリューションを、お客様に提供できることを嬉しく思います。OBPを使用したこのフレキシブル食品包装は、地球環境の保護を目的としたSABICの循環型ソリューションであるTRUCIRCLE™プログラムの一環です」と話している。

OBPは、海岸から50km以内に不法投棄され、雨水、川の流れや潮流によって最終的に海洋へ流出する可能性の高い廃棄プラスチックを指す。

ScientexグループでBOPPフィルム部門の責任者を務めるPaul Ng Kok Leong氏は、「SABICとの協業によって、高度にリサイクルされた循環型OBPを用いた世界初のフレキシブルPP食品包装素材をアジア市場に提供することができました。このバリューチェーンにおける協業は、プラスチック廃棄物の問題解決に向けた可能性を示しており、マレーシアや東南アジア全体で循環型プラスチック経済を形成する上で大きな節目となるものです」と話している。

このプロジェクトで使用されるOBPは、回収された後に高度なリサイクル処理によって熱分解油に変換される。SABICはこの油を代替原料として認定済み再生PPポリマーを製造し、その後BOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムに加工される。

Scientexでは、このフィルムを用いてインスタント麺のパックを製造し、印刷を行っている。回収されたOBPの管理から最終的なパッケージングに至るシームレスなサプライチェーン全体は、確立された認証[1]制度によって認定を受けている。

マスバランス手法に基づくOBP含有量30%のSABIC認定済み再生PPは、化石由来の従来バージンPPと同等の性能を発揮し、このフレキシブル食品包装において、既存の製造施設やプロセスを変更する必要なく直接置き換えが可能な素材である。

SABICの認定済み再生ポリマーは、SABICの循環型ソリューションであるTRUCIRCLE製品群・サービスの一部を構成するものである。この製品群は、リサイクル性を考慮した設計、メカニカルリサイクル製品、バイオベース原料を用いた認証済み再生可能ポリマー、プラスチックを高品質のアプリケーションにリサイクルして貴重な使用済みプラスチックの廃棄を防ぐクローズドループイニシアチブといった特徴を持つ。


[1] SABICの認証済み再生ポリマーは、ISCC(国際持続可能性カーボン)PLUS認証を取得しており、詳細はウェブサイトを参照。:https://www.iscc-system.org