大型自動車用車体パネルの寸法安定性を向上させるSABICイノベーティブプラスチックスの新しいNoryl GTX*導電性樹脂

SABICイノベーティブプラスチックスの新しいNoryl GTX*樹脂製品群が、より大きく複雑な形状の自動車車体パネルの創出に貢献2010年12月13日 – SABICイノベーティブプラスチックスは、世界各地の自動車OEM及びそのサプライヤーの部品設計に大きく貢献する、最も新しいハイテク熱可塑性樹脂であるNoryl GTX*樹脂製品群を発表した。ポリアミド(PA)とポリフェニレンエーテル(PPE)を混合した新しい導電性樹脂は、従来のグレードに比べ線膨張係数(CTE)が20~40パーセント低いため、寸法安定性が増大し、隙と段差の精度が改善されている。その結果、自動車設計者はこれまでよりも大型で、高品質、高精度の車体パネルの開発が可能になり、同時にこの材料は、高温オンライン塗装システムを含む、既存の製造工程にそのまま取り入れることができる。これらの高性能材料は、システムコストの削減と軽量化による環境持続性を推進し、より差別化された部品設計に取り組んでいる自動車業界を支援するための、SABICイノベーティブプラスチックスのビジネス戦略に基づいて開発されたものである。

SABICイノベーティブプラスチックス、製品マーケティング担当ディレクター、V. ウママヘスワランは、今回の発表にあたって次のように述べる。「これは車の設計においては画期的なことであり、これにより熱可塑性樹脂製車体パネルの用途が大幅に拡大することになります。卓越した外観品質と性能を備えたSABICイノベーティブプラスチックスのNoryl GTX樹脂により、クルマの設計者は、大型でより複雑な形状のフェンダーやその他の車体パネル設計に同樹脂のさまざまな利点を活用できるようになりました。トラックや大型のSUVもこれまでの金属材料の代わりに高精度で高い寸法安定性をもつNoryl GTX樹脂の恩恵が得られるようになりました。」


高品質と改良された外観

SABICイノベーティブプラスチックスは新しい技術を使って、衝撃強度を始めとする卓越した機械強度を維持しつつ、高温下での低CTE(線膨張係数)と優れた導電性を実現した。 Noryl GTX 98樹脂シリーズは従来のグレードと比較して、吸湿および加熱後の収縮が20パーセント低く、その結果、強い日射や高湿の条件下でも優れた寸法精度を維持することができる。正確な部品配置が可能なため、全体的な品質や外観もより向上する。もうひとつの外観面での利点は、以前のNoryl GTXグレードと比較して剛性が50%向上した結果、プラスチック部品がより堅牢な印象を与えることである。

オンライン塗装においては、Noryl GTX 98樹脂シリーズは耐熱性が10℃改善されているため、より高温焼付けのオンライン塗装に適応する。


より大きな軽量化による環境持続性の向上

車体パネルのサイズを拡大できるようになったことで、Noryl GTX樹脂はクルマの軽量化と燃費および排気ガスの削減により大きく貢献するようになった。大手のサステナビリティコンサルティング会社であるグリーンオーダー社によって検証された同社のサステイナブル製品スコアカードによると、鋼鉄の代わりにNoryl GTX 98樹脂シリーズを車体パネルに使用すると、車体重量を最大3.2 kg(7 ポンド)削減することができ、その結果、部品のライフサイクル全体を通じて、部品ごとに最大40パーセントの省エネ、および最大42パーセントの炭酸ガス(CO2)排出削減が実現する。

異なる線膨張係数(CTE)要件(部品の長さによる)に対応するため、SABICイノベーティブプラスチックスはこの新しい樹脂技術をもとに、4つの新材料を提供する。現在、Noryl GTX 987と989グレードが入手可能で、残りのグレードも近い将来発売される予定。

SABICイノベーティブプラスチックスの自動車外装用のNoryl GTX樹脂の製品ポートフォリオの詳細については、www.sabic-ip.comへアクセスして下さい。

* SABIC Innovative Plastics IP BVの商標です。