SABICイノベーティブプラスチックス、使用済みリサイクル樹脂製品群を拡大 顧客のよりサステイナブルなアプリケーションを支援

SABICイノベーティブプラスチックスのPCR材を含むLexan* EXL樹脂を採用したモトローラのMOTO? W388 Renew(CarbonFund.org?よりCarbonFreeR認定済)2010年11月30日 – SABICイノベーティブプラスチックスは、PCR材(ポストコンシューマーリサイクル材、市場より回収したリサイクル材の意味)を含有した環境に優しい樹脂製品群を拡大する。同社の幅広い製品ポートフォリオは6種の樹脂をベースにした25以上のグレードに及び、顧客のより環境に配慮した様々な製品設計を支援する。新たに加わった製品は、フィラー強化および非強化の難燃性(FR)「Cycoloy* PCR樹脂(サイコロイ)」、オープン・ループ初のグレードとなる「Noryl* Classico PCR樹脂(ノリル)」、そして3グレードの「Lexan* EXL樹脂(レキサン)」である。これらの製品は、SABICイノベーティブプラスチックスの定評あるValox iQ*やXenoy iQ*樹脂、Lexan* EXL 8414樹脂といった環境に優しい樹脂製品シリーズを拡大するものである。

SABICイノベーティブプラスチックスのサステイナビリティ部門マネージャーのロバート・マッケイは「SABICイノベーティブプラスチックスは、PCR事業の拡大を優先事項の一つとして認識しており、今回追加された最新樹脂は当社サステイナビリティソリューションポートフォリオを拡充するものです。従来のリサイクル材が抱える性能上の問題を克服するには、これまでにない革新的なアプローチが求められていました。当社は、様々な含有量から成るリサイクル材を駆使した最先端の熱可塑性樹脂を供給するだけでなく、幅広い高機能リサイクル製品ポートフォリオを提供できることに誇りを感じています。」と述べた。
SABICイノベーティブプラスチックスのPCR材を含むLexan* EXL樹脂を採用した世界初のCarbonFreeR認定携帯電話であるモトローラのMOTO? W233 Renew(イメージ)

電気電子用途に向けた最新PCR樹脂
SABICイノベーティブプラスチックスはPCR材を取り入れた製品ポートフォリオを強化する。新たに追加された製品は以下の通り。

  • Noryl Classico PCR樹脂:今回、クローズド・ループリサイクルプログラムの実績を経て、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂のオープン・ループ製品として初めて登場したのがNoryl PCR RN0401樹脂であり、リサイクル材を20%含有し、2mm厚でUL94 V0を取得しているほか最高約70°Cの熱変形温度を発揮する。同樹脂は様々な電子機器の筺体やモデム、電源アダプタといった幅広い用途に最適である。さらに、PCR材を最大40%含有するNoryl PCR Classico樹脂の最新グレード2種も、今後6ヶ月以内に製品化する予定である。
  • Cycoloy PCR樹脂:同樹脂は、飲料水ボトルやCDなど様々な使用済み製品からリサイクルされたオープン・ループPCRポリカーボネートを30~50%含むポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(PC/ABS)樹脂であり、ノートパソコンや消費者向け電子機器の筐体に最適である。フィラー強化および非強化の各種難燃性(FR)グレードが用意されており、電気電子メーカーのEPEAT(電子製品環境アセスメントツール)認証取得に貢献する。例えば、Cycoloy RCM 6123樹脂はPCR材を30%含み、1.2 mm厚でUL94 V0を取得しており、4.3 GPaの優れた剛性(曲弾性率)を特徴とし、筐体の薄肉成形に最適である。さらに6グレードが追加される予定であり、優れた剛性や難燃性、流動性の様々な組み合わせを利用可能となる。
  • LexanおよびLexan EXL PCR樹脂:非難燃性Lexan EXL PC樹脂には、先のNPE 2009(国際プラスチック産業見本市)で発表されたLexan EXL 8414樹脂に加えて、PCR材を10~80%含む新グレードLexan EXL 8134、Lexan EXL 8454、Lexan EXL 8483樹脂の3種を合わせた4グレードがある。各グレードは、SABICイノベーティブプラスチックスの高機能Lexan EXL技術を採用しており、PC樹脂の標準グレードと比較して耐衝撃性や低温延性、加工性に優れている。また、従来のLexan EXL 1414樹脂と比較してカーボンフットプリント(cradle-to-gateの温室効果ガス排出量)を20~64%削減し、従来のPCやPC/ABS樹脂よりも低い値を実現する。Lexan EXL 8414は、MOTO™ W233 Renewに代表される携帯電話に既に採用されている。さらに、難燃性ポリカーボネート樹脂の新グレードとして、PCR材を最大30%含み、1.1 mm厚でUL94 V0を取得したLexan R9453樹脂が加わった。Lexan R9453樹脂は、非臭素系/非塩素系難燃技術を用いた難燃性樹脂である。

また、SABICイノベーティブプラスチックスは引き続き、顧客との連携による最適なクローズド・ループリサイクルプロジェクトを実施している。製品寿命を迎え回収された製品から樹脂を選別し、リサイクル材として顧客の使用するグレードに活用する。こうして新たなリサイクル製品が誕生する。回収・分解の成功事例としては、プリンタ用カートリッジやリース終了後の事務機器、顧客の製造工程で生じる産業廃棄物などがある。

サステイナビリティのパイオニア:Valox iQおよびXenoy樹脂
SABICイノベーティブプラスチックスのサステイナビリティへの取り組みは、Valox iQおよびXenoy iQ樹脂といった使用済みPETボトルを最新の化学プロセスによって熱可塑性樹脂に変えるアップサイクル技術に代表される。約15グレードのポリブチレンテレフタレート(PBT)ベースの樹脂が取り揃えられたValox iQ製品群およびXenoy iQ PC/PBT樹脂は、重量比12~60%のPCR材を含有している。また現在コネクタやコンピュータ用冷却ファン、業務用調理器具、電動工具筐体、消費財、自動車外装部品などに使用されている材料と同様の幅広い特性を備えている。Valox iQ樹脂技術は2006年の発表以来、数々の賞を受賞してきた。

SABICイノベーティブプラスチックスの環境製品群の詳細については、www.sabic-ip.comへアクセスして下さい。製品に関する技術的なお問い合わせは、www.sabic-ip.com/prtechinquiryへアクセスして下さい。

* SABIC Innovative Plastics IP BVの商標です。