SABICイノベーティブプラスチックス、サステナビリティ製品群の拡大と新しい環境品質検証プログラムで エコへの取り組みを強化

SABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ・ソリューション製品ポートフォリオは、自動車の軽量化や難燃性、使用済みリサイクル材の含有量を含め、数多くの環境への取り組みを支援する。2010年11月22日 – SABICイノベーティブプラスチックスは、サステナビリティ(環境対応)製品のポートフォリオ拡大と、環境品質検証プログラムの導入により、更なるエコへの取り組みを強化する。PCR材(ポストコンシューマーリサイクル材、市場より回収したリサイクル材の意味)を利用した新しいNoryl*、Cycoloy*やLexan* EXL樹脂などを始めとした数百のグレードで構成される、20種類以上のサステナビリティ・ソリューションに拡張する。また、サステナビリティ製品とその用途を対象に、環境への貢献度を定量的に測定する検証プロセスを導入する。このプロセスには、定評ある環境サステナビリティコンサルティング会社であるGreenOrder社とのパートナーシップのもとに開発した環境製品スコアカード(環境性能評価カード)も含まれる。これらはカスタマーの多様な環境ニーズに応えるSABICイノベーティブプラスチックスの取り組みを表すものであり、カスタマーの二酸化炭素排出量削減、エネルギー使用量削減、廃棄物の継続的な投資を示している。

SABICイノベーティブプラスチックスの技術担当副社長であるトム・スタンレーは、「環境に優しいテクノロジーをリードする会社として、SABICイノベーティブプラスチックスは今後も環境に配慮した材料の開発と供給に取り組んでいく方針です。当社は、あらゆる業界のお客様が世界中の環境要件を満たすことのできる、よりグリーンな製品への需要に応えられるよう製品ポートフォリオを強化し、当社の製品がどれだけ環境性能に優れるかを検証するための基準を導入しました。これは、優れた性能と地球に優しい新たな材料、生産プロセス、そして応用技術を常に提供するための当社の継続的な取り組みです。」と述べた。SABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ・ソリューション製品ポートフォリオは、自動車の軽量化や難燃性、使用済みリサイクル材の含有量を含め、数多くの環境への取り組みを支援する。

地球に優しい設計と生産を可能にする広範な製品群
SABICイノベーティブプラスチックスは、今後PCR樹脂のグレードを増やし、サステナビリティ製品群を拡充していく。長年、環境の改善に貢献してきた自動車外装用の剛性の高いNoryl GTX*樹脂、アップサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PET)を利用したValox iQ*やXenoy iQ*樹脂などもサステナビリティ製品群に含まれる。

さらに同社はサステナビリティ製品群に加え、生態系に影響の少ない製品の設計や製造を支援する数多くの特殊樹脂およびサービスを提供している。その例として、省エネ照明(発光ダイオード(LED)および小型蛍光灯(CFL)用材料、資源の使用量削減に貢献する薄肉成形用材料、材料のより効率的な使用法を探るためのコンピュータ支援設計(CAD)の最適化、揮発性有機化合物(VOC)の排出を減らすためのコーティングならび塗装の削減、およびエネルギー使用量を減らすための成形工程の効率改善などを挙げることができる。SABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ・ソリューション製品ポートフォリオは、自動車の軽量化や難燃性、使用済みリサイクル材の含有量を含め、数多くの環境への取り組みを支援する。

最も重要な環境問題に焦点を当てた製品群
SABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ製品群は、今日の最も重要な環境問題に対応する各種材料から構成されている。

  1. 市場より回収したリサイクル材(PCR):SABICイノベーティブプラスチックスは、Valox iQおよびXenoy iQ樹脂で業界から高い評価を受けており、欧州化学工業連盟(Cefic)からは2009年リスポンシブルケア賞(Responsible Care Award)、およびプラスチック技術者協会(SPE)からは環境賞を受賞している。これらの材料には、廃棄されたペットボトルから抽出した最大60パーセントのリサイクル材が含まれており、廃棄ペットボトルから最終の樹脂ペレットまでの全製造工程を通じ、従来のポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(PA)6に比べてエネルギー消費量ならびに二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない。同社は最近、コンシューマ向け電子製品用のLexan EXL PCR樹脂を発売したが、これは、従来のLexan EXL樹脂と比較してエネルギー消費と排出量を60%削減できる。
  2. 自動車部品の軽量化:SABICイノベーティブプラスチックスは長年にわたり、燃費向上と排気ガスの削減に貢献し、かつ高機能でより優れた設計柔軟性を提供する軽量材料でこの業界をリードしてきた。Noryl GTX樹脂で成形した車体パネル、Lexanポリカーボネート(PC)の樹脂ガラス、歩行者保護システムに使用されるXenoy iQ樹脂、フロントエンドモジュールアセンブリ用途のSABIC® Stamax®ガラス長繊維強化ポリプロピレン(LGFPP)および超薄肉軽量ワイヤーコーティング用のFlexible Noryl樹脂などの軽量化ソリューションを全て組み合わせると、一般的なクルマの重量を1台当たり24 kg以上軽量化することができる。この軽量化により、クルマの全ライフサイクルにわたる二酸化炭素の排出量を20~45パーセント減らすことが可能で、走行距離に換算すると1キロメートル当たりのCO2排出量が約2.4 g削減可能である。仮に2億1000万台あるヨーロッパの自動車に同軽量化を適用すると、年間でCO2の排出量を970万トンも減らすことができる。SABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ・ソリューション製品ポートフォリオは、省エネを含め、数多くの環境への取り組みを支援する
  3. 最先端の難燃(FR)技術:SABICイノベーティブプラスチックスは、日々進化する環境規制とカスタマーにとって重要となるエコラベルに対応するために、ノンハロゲン難燃性(FR)プラスチック製品群の幅を広げるための努力を続けている。同社の新しいハロゲンフリー難燃(FR)Lexan PC樹脂シリーズは、透明性と難燃性をハロゲンフリーの化学組成により実現している。
  4. 省エネ:省エネは、SABICイノベーティブプラスチックスにとっては重要な課題である。例えば、同社の特殊フィルム&シート事業では、ビルおよび建設業界向けに、省エネ効果を持つ高機能グレージングおよび屋根用材料を提供している。また断熱効果の高いマルチウォール構造と同社が独自に開発した赤外線(IR)コーティングを組み合わせたThermoclear* Solar Control IRマルチウォールシート製品は、2重ガラスの窓や天窓に比べ室内の冷房や暖房用のエネルギー消費量を、16mm~25mmのマルチウォールの厚さで7~25パーセント減らすことができると実証されている。

各種法規制に対応する環境製品スコアカード
SABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ・ソリューション製品ポートフォリオは、省エネを含め、数多くの環境への取り組みを支援するSABICイノベーティブプラスチックスのサステナビリティ製品とその用途は、2つの方法で厳密に検証されている。1つは、広く認知されている第三者機関によるサステナビリティ基準により検証する方法、もう1つは、同社の新しい環境製品スコアカードを使い、現状と比較して環境面での利点を検証する方法である。環境製品の殆どには、第三者基準が存在し、ハロゲンフリーの難燃性やPCR(リサイクル材)などの環境性能が定義されているが、自動車軽量化設計や、Co2・エネルギー排出削減量など、環境性能基準の定義が少ない業界もある。定義が存在しない場合には、ライフサイクルアセスメント(LCA)方式を使い、製品および製造工程の環境フットプリントを算出し、現状と比べた環境面での利点を検証する必要がある。SABICイノベーティブプラスチックスは、これらのLCA方式を新しい環境製品スコアカードに取り入れ、検証プロセスが厳密かつ信頼できる形で行われるよう配慮している。

このスコアカードにより、既に7つのサステナビリティ・ソリューションの環境的利点に関する検証が行われ、その他の製品シリーズも順次、検証されている。この検証プロセスにより、顧客は環境とビジネスの目標を両立できる高機能な材料を安心して選択することができる。SABICイノベーティブプラスチックスは、顧客の環境目標をさらに支援するために、2010年末より環境検証プログラムでの実証済みの製品群を拡張する予定である。

環境製品スコアカードは、従来または代替材料と比べた同社製品の環境的利点を測定、検証し、それを顧客に伝達することを目的としており、2部で構成されている。

  1. ライフサイクルアセスメント(LCA): ISO 14040とISO 14044基準に基づいたLCAおよびライフサイクルインベントリ(LCI)方式を使いスコアカードの前半部を構成する。製品のライフサイクルを通じての二酸化炭素とエネルギー排出量が推測される。
  2. グリーンケミストリースクリーン(GCS): このツールは、既知の不純物、副産物および触媒などを含む製品の化学成分を、毒物、規制、および具体的な業界標準に基づいて評価する。

スコアカードの結果は、環境的利点に関する同社の製品情報を作成するために使用されるが、これらの情報は独立機関であるGreenOrderによって厳密に検証される。検証済みの情報は、環境製品データシート(EPDS)にまとめられ、カスタマーはこれを使って自社製品の差別化を図り、 サステナビリティプログラムの一環としてその情報を利用することができる。

LRN社のグループ企業の1つであるGreenOrderの社主であるトルーマン・セマンズは、「私どもは、環境の全分野にわたって、従来の材料に代わる新しい代替材料を提案しているSABICイノベーティブプラスチックの積極的な取り組みを高く評価しています。このプログラムの鍵は、確立された基準と厳密な検証、テスト工程によって、環境上の利点の検証を行っている点です。SABICイノベーティブプラスチックスの材料を我々独立機関が評価することで、同社はカスタマーに対し、約束通りの製品の環境性能を実証し、測定可能な形で提供できるのです。」と述べた。

SABICイノベーティブプラスチックスの環境製品群の詳細については、www.sabic-ip.comへアクセスして下さい。

* SABIC Innovative Plastics IP BVの商標です。
® StamaxはSABICの登録商標です。