ヘンケル、自動車用電子部品およびパワーコンバージョンに適した7.0 W/mK 液状ギャップフィラーを発売

業界初の高速塗布可能な高熱伝導率液状サーマルインターフェース材料が登場

2020年6月11日 – デュッセルドルフ(ドイツ) – ヘンケルはこの度、サーマルインターフェース材料(TIM)の新製品BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000(写真)の上市を発表しました。この液状TIMは、7.0 W/mKの高熱伝導率と最大吐出量18グラム/秒(弊社試験による)という塗布速度を併せ持つ画期的な配合の製品です。優れたスループットを備えたこの新しい製品は、自動車ADASシステム、パワーコンバージョンシステム、電動ポンプ、ECUなど、今日のより小さなフットプリント、より高いレベルの電力設計に併せて、大量生産及び高熱伝導率が要求されるアプリケーションに最適です。

自動車用電子部品およびパワーコンバージョンに適した液状ギャップフィラーを発売ヘンケルのグローバルテクノロジーエキスパートHolger Schuhは、「化学的な観点からは高速塗布ができる高熱伝導率の液状TIMを設計する場合、そのバランスを維持することが最も難しい点です。熱伝導率の高い液状材料では塗布装置の詰まり、ケーキング、沈殿、分離が起きやすいのでは? と心配する声もありますが、BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000ではこうした問題が発生しにくい配合になっています」と、ヘンケルの樹脂技術と熱対策材料の開発における専門性の高さを強調しました。

BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000は、2液混合型シリコーン樹脂系の熱伝導性ギャップ充填材料で、最大吐出量18グラム/秒(弊社試験による)というスピードですばやく塗布でき、室温で硬化します。7.0 W/mKの熱伝導率を持ちながら硬化後も柔らかく、部品への負荷を最小限に抑え応力の発生を低減します。低分子シロキサンの揮発量は300ppmに抑えられ、様々な基板や光学部品にも対応可能です。さらに貯蔵安定性や扱いやすさも大きな特長であり、ユーザーにとってリスクの低いロジスティクスが実現するというメリットもあります。

業界大手の塗布装置メーカーと強固な技術提携をすすめてきたヘンケル技術チームは、液状TIM材料の各種装置プラットフォームへの最適化に多くの知見を有しています。これは大量生産を成功裏に実現するにあたり極めて重要なポイントです。BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000の配合を調整し決定する段階では、塗布装置メーカと協力し、製品の塗布性を検証する様々な試験を実施しました。

BdtronicのDACH地域セールスマネージャーを務めるFlorian Schützによると、「高性能な液状ギャップフィラーの場合、塗布における技術的要求事項のレベルが上がります。使用圧力を上げることなく正確な塗布を保証するため、且つ、研磨性のあるフィラーにも対応できる耐久性の高い流路を設計する必要があるのです。当社の偏心スクリューポンプやスタティックミキサーDuplex+により、CMKやサイクル時間に優れた高速塗布プロセスを確立することができます。熱伝導性の高い材料に対する一般的な予想とは異なり、この新しい材料は初期の塗布試験で装置に負担をかけることの無い優れた塗布性を示しました」。

この製品のさまざまな環境下における性能を詳しく理解するため、ヘンケルは定評ある産業調査会社のZFW Stuttgart(Zentrum für Wärmemanagement)に協力を依頼し、革新的な熱解析と測定技術を用いた様々な負荷状況におけるTGF 7000の放熱性能を評価しました。この解析結果については、BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000の設計コンセプト、試験方法、熱特性や機械特性とあわせ、2020年6月30日にヘンケル、Bdtronic、ZFWがオンラインで行うウェビナー(英語のみ)で詳細情報を公開します。このウェビナーには、こちらのリンク-Henkel ウェブサイトから登録できます。

「フォルムと機能が本質的にリンクする次世代自動車設計では、大電流・大電力部品による車体の軽量化、スマート化、洗練化が進みます。弊社の新しいギャップフィラーのような効果的な熱制御ソリューションがなければ、こうした進化は実現しないでしょう」と、Schuhは締めくくりました。


※本プレスリリースは、2020年6月1日にドイツ・ヘンケル本社が発表したプレスリリースの日本語訳版です。本プレスリリースは英語が原本であり、その内容・解釈については英文プレスリリースが優先します。