- 電動モーター冷却における熱可塑性樹脂のイノベーションがモジュール部門で最高位を獲得
ブリュッセル、2025年9月24日 – 先端材料と機能性化学品の世界的リーディングカンパニーであるサイエンスコは、Horse Powertrain(ホース・パワートレーン)との共同開発による熱可塑性ポリフタルアミド(PPA)製の電動モーター用ステーター冷却ガイドおよびオイル供給チューブが、モジュール軽量化部門において権威ある2025 Altair Enlighten Awardを受賞したことを発表します。Altair Enlighten Awardは、自動車業界において軽量化技術を表彰する最高峰の賞であり、車両の軽量化と持続可能性における優れた功績を称えるものです。今回の受賞は、2025年9月16日にデトロイトの歴史的建造物であるミシガン・セントラル駅で開催されたManagement Briefing Seminars(MBS)の授賞式で発表されました。
このたびAltair Enlighten Awardを受賞したソリューションは、サイエンスコのAmodel® PPAを活用し、電動モーターの効率を飛躍的に向上させるものです。Horse Powertrainはこの高性能な熱可塑性樹脂を採用することで画期的なステーター冷却設計を実現し、従来の金属を使用したソリューションと比べ47%の軽量化と36%のコスト削減を達成しました。金属からプラスチックへの代替は、射出成形、レーザー溶接とスナップフィット工法を通じて、部品統合や量産組立の高効率化にも寄与しています。この革新的なアプローチにより、Horse 3DHT160専用ハイブリッドトランスミッションをはじめとするパワートレイン製品の量産化が可能となりました。Amodel® PPAは、150℃のATF(オートマチックトランスミッションフルード)中で2,000時間経過後でも約70%の破壊圧力耐性を維持する能力、そして自動車用流体に対する高い耐性を備えており、卓越した安全性と信頼性を提供します。この設計は、オイルポンプの消費電力を抑えながら精密な潤滑を実現するとともに、オーバーヒートのリスクを効果的に低減します。
サイエンスコで自動車マーケティング部門のヘッドを務めるDeedee Smithは「Altair Enlighten Awardの受賞は、持続可能なモビリティの推進において両社のコラボレーションとイノベーションが、いかに強力なものなのかを証明するものです。Horse Powertrainとの連携は、Amodel® PPAのような高性能材料が、自動車業界に性能、コスト、そして持続可能性の面でメリットをもたらすことを目に見える形で示しています。」と話しています。
Horse PowertrainのAurobay部門でグローバル研究開発責任者を務めるFucheng Zhao氏は、「私たちはAltair Enlighten Awardの受賞を光栄に思います。インテリジェントパワートレイン技術におけるサイエンスコとのコラボレーションは、真のイノベーションを推進するものです。先進的な材料技術の統合は、資源効率の大幅な向上、カーボンフットプリントの効果的な削減、自動車産業における軽量化と持続可能な開発に向けたスケーラブルなソリューションを提供することができます。」と話しています。
サイエンスコは最終候補に名を連ねた各企業に祝意を表するとともに、Mavelと共同開発した「持続可能な電動トラクションモーター材料」についても、今年度の最終候補に選出されたことを誇りに思います。高性能なKetaSpire® PEEKベースの絶縁材を活用したこの革新的なソリューションは、軽量で高効率な環境に配慮した電動モーターを実現するものであり、重量、エネルギー消費量、レアアース材料の使用量を削減し、次世代電気自動車の性能向上に寄与します。
Amodel® およびKetaSpire® はサイエンスコの登録商標です。