日精樹脂工業株式会社(本社:長野県埴科郡坂城町、代表取締役社長:依田穂積)とそのグループ会社であるNegri Bossi S.P.A(本社:イタリア・ミラノ)は、10月8日から10月15日までドイツ・デュッセルドルフで開催されるK2025(小間番号:15C22)に出展し、「Inclusive Growth(包括的な成長)」をメインテーマに掲げ、環境対応をメインとしたサーキュラーエコノミー実現に向けた最新の取り組みを紹介します。同展では出展内容を「環境負荷低減(GX/Green Transformation)」「高付加価値創出(VX/Vale Transformation)」「社会的連携(DX/Digital Transformation)」の3カテゴリーに分け、計6機種の電気式およびハイブリッド式射出成形機によるデモ展示を実施します。今回の出品機には、日精樹脂工業の成形機にイタリアのデザインを取り入れた欧州向けモデル「電気式NOVA5eTシリーズ」と、欧州向けに新たに発表される「ハイブリッド式NOVA CANBIOシリーズ(参考出品)」が含まれます。
展示カテゴリーと機種別テーマの概要は以下の通りです。
環境負荷低減(GX – Green Transformation)
資源循環と環境負荷低減を両立する、環境配慮型成形技術の提案。
1. 電気式射出成形機「NOVA5e360T-H1540」
型締力3530kNタイプNOVA5e360T-H1540を用いて食品容器の蓋と本体の成形を実演。欧州の金型メーカーPlasdan社のキューブモールドを活用し、1台の成形機で2種類の製品を効率的に成形。キューブモールド複合成形による成形工程の合理化と材料ロス低減を実現する成形工法を提案。
2. 電気式射出成形機「NOVA 5e180T-T590」
型締力17kNタイプNOVA5e180T-T590を用いて食品保存容器の蓋を異なる材料を層状に射出して一体成形するサンドイッチ成形にて実演。標準機をベースに2次射出装置を追加し、リサイクル材をコア層(成形品内部の中心層)としてサンドイッチ成形することでマテリアルリサイクルを促進。AIによる画像解析と製品重量解析による製品の良否判定機能、二次元バーコードのレーザー印字システムによる製品管理および自動化システムを搭載する。なお本機は、2025年11月から開始されるドイツ・アーヘン工科大学の研究機関IKV(Institut für Kunststoff Verarbeitung)との共同研究に当たり、展示会終了後に同大学へ設置する。
高付加価値創出(VX – Value Transformation)
革新的かつ独創的な技術力で省エネ・高効率・高品質など付加価値の高い成形技術の提案。
1. 電気式射出成形機「NOVA5e110T-H230」
型締力1080kNタイプのNOVA5e110T-H230を用いてバッテリーケースの薄肉成形を実演。新開発となる電気式成形機向け低圧成形工法「e-SAPLITM」を活用することで、これまで高速射出成形機(射出速度:2000mm/秒)で成形していた0.30mm厚の薄肉バッテリーケースを、標準仕様機での成形を可能にした。当社独自の低圧成形工法を用いた成形不良改善、使用エネルギーの低減、成形機および金型の負荷を軽減する成形技術を提案。
2. ハイブリッド式射出成形機「NOVA CANBIO110T-H320(参考出展品)」
型締力1100kNタイプのNOVA CANBIO110T-H320を用いて化粧品容器の肉厚成形を実演。独自技術であるハイブリッド式成形機向け低圧成形工法「N-SAPLITM」と、マテリアルリサイクルされたPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)材の安定成形を実現する。新たに標準搭載されたスクリュによりPETG材の計量安定性を向上し、ランナー粉砕リターン(30%)の混合を可能とすることで環境負荷低減にも貢献。なお本機は、NISSEI主力機種であるハイブリッド式成形機FNX-Ⅳシリーズをベースとし、外観デザインをNegri Bossiが担当した欧州向けモデルの次世代機種。金型に対して均一な型締力を実現する直圧型締機構を搭載し長期安定稼働を実現する。また、油圧ポンプと電動サーボモータを組み合わせて省エネかつ長時間保圧を可能とする当社独自のハイブリッドポンプシステム「X-Pump®」も搭載。当社独自の低圧成形技術とハイブリッド技術によって、金型の負荷軽減と高品質を実現する成形技術を提案。
社会的連携(DX – Digital Transformation)
スマートで働きやすい成形現場を実現する、デジタル化技術の提案。
1. 電気式射出成形機「NOVA5e50T-H100」
型締め力490kNタイプのNOVA5e50T-H100を用いて注射針キャップの微細ハイサイクル
成形を実演。医療業界を想定した優れたクリーン性能と成形不良品低減を可能にする可塑化安定技術と材料ロスを低減する各種成形支援ソフトを提案。搭載された「MeltMaster®」および「AEモニタ(Acoustic Emission)(参考出展)」による可塑化診断を行うことで樹脂の溶融状態を見える化し、可塑化条件を最適化する。また、材料替え時に該当する樹脂を選択することで最適な条件をワンタッチで算出する「材料替えパージ機能」を搭載。材料ロス低減と作業時間の短縮が可能となる。
2. 電気式小型精密射出成形機「NEX30V-1EN1」
型締力294kNタイプのNEX30V-1EN1を用いてバッテリー部品の封口体(蓋)の小型超精密成形(マイクロモールディング)を実演。成形機がHUBとなって各種周辺機器をつなぐ独自のIoT対応技術「N-constellation™」を活用したスマートファクトリー化を提案。材料使用量が極めて少ない微細精密部品を必要とする電気・電子部品や医療品分野に向けて、スクリュとプランジャーによる独自の2ステージタイプ高精度射出機構による安定したハイサイクルのマイクロモールディングを提案。
さらにブースでは、出品機による成形実演に加えて、成形現場のDXを最小コストで実現する二次元バーコードを用いた成形管理システム「N-QR ScanTM」や、OPC-UA通信を用いた周辺機器および製造実行システム(MES)接続、波形データやモニタデータのリアルタイム収集によってタブレットやE-mailを利用した遠隔モニタリングを可能とする品質・生産管理システム「PQ ManagerTM」など、成形工場のDX化を支援するIoT技術も紹介する。
【展示会情報】
会期:2025年10月8日(水)〜15日(水)
会場:ドイツ・デュッセルドルフ
小間番号:15C22
出展機種:電気式・ハイブリッド式等 計6機種





