ビクトレックス社、炭素繊維複合材料を中心とした コンポジット製品の用途開発を強化

VICTREXR PEEK?樹脂を用いた炭素繊維コンポジットのサンプルJECコンポジット展に出展し同社複合材料の最新技術を紹介

2011年3月30日 – VICTREX® PEEK™樹脂、VICOTE®(ヴァイコート)コーティング、APTIV®(アプティブ)フィルムをはじめとする高機能性材料を製造・販売する英国ビクトレックス社(社長:デビット・ハメル、本社:英国ランカシャー州)は、2011年3月29日から31日までフランス・パリで開催される「JECコンポジット展(同社ブース:J11)」に出展し、同社コンポジット(複合材料)製品の最新技術を展示紹介する。
近年ビクトレックス社では、コンポジット製品分野の加工メーカーやエンドユーザに対して、同社が保有する多くの技術リソースを提供するための特別チームを編成するなど、同社PAEK(ポリアリルエーテルケトン)樹脂を応用した、炭素繊維複合材料を中心とするコンポジット製品事業への取り組みを強化している。JECコンポジット展は欧州地域で最大規模の複合材料に関する展示会であり、同展においてビクトレックス社は、高性能熱可塑性コンポジットの製造における最適なマトリックス材料として、同社高性能PAEK製品の多目的性や適合性を訴求する。

ビクトレックス社は製品および技術サービスに加え、用途や加工技術の開発に向けて技術主導型のソリューションを提供している。同社でグローバル・コンポジットビジネス・チームリーダーを務めるラルフ・ワイディックは「コンポジット製品のような先進の高機能構造材料の開発では、軽量化、信頼性や耐久性の向上、製造やメンテナンスにかかるコストの低減、風力発電や航空宇宙などの各種産業用途におけるエネルギー効率の向上といった市場要求が原動力となっています。私たちは、これまで構造材に多用されてきた金属や熱硬化性コンポジットが、今後2~3年で熱可塑性コンポジットに置き換わっていくと考えています。」と話している。

VICTREX PEEKは良好な加工性、高耐熱性、優れた機械特性や耐薬品性を持ち、過酷な使用環境下において複数の卓越した特性を同時に発揮する結晶性の熱可塑性樹脂として広く知られている。VICTREX PEEKを用いて作られた炭素繊維およびガラス繊維コンポジットは、エンジニアが直面する現在および将来的な課題の解決に貢献する。

コンポジット製品の利点
熱可塑性コンポジットは、部品の軽量化、エネルギー効率の向上、製品の長寿命化、より過酷な動作環境下における性能向上、環境や安全基準への準拠、製造コストやメンテナンスコストの低減といった様々なメリットが期待できるため、急速に採用が増えている。また熱可塑性コンポジットは金属と異なり、直接、複雑形状を成形できることから、部品点数の削減によって全体的なシステム・コストの低減に貢献する。

コンポジット製品の物性
VICTREX PEEKを用いた熱可塑性コンポジットは最高260°Cの連続使用温度に耐えることができ、熱硬化性コンポジットと比べ、より優れた耐疲労性や強靭性を発揮する。この他にも優れた熱安定性、低CTE(熱膨張)、耐摩耗性、低発煙性や低有毒ガス放出性、優れた耐加水分解性、耐薬品性や耐放射線性といった多くの特性を有している。ビクトレックス製品をマトリックス樹脂に用いたコンポジット製品は金属よりも高い比強度を示し、金属と非金属との組合せや統合化が求められる用途にとって理想的な材料である。その上、VICTREX PEEKの良好な加工性やリサイクル性は、最終コンポジット製品の製造コスト低減にも貢献する。

ビクトレックス社のマネージング・ディレクターであるティム・クーパーは「VICTREX PEEKをはじめとするPAEK樹脂と炭素繊維やガラス繊維による熱可塑性コンポジットは、間違いなくエネルギーや航空宇宙など各種産業用途のアプリケーションにおいて重要な役割を果たすことになるでしょう。ビクトレックス社は、PAEK製品に関する30年以上の経験、安定供給を確保する年産4,250トンの生産能力を持ち完全に統合されたサプライチェーン、グローバルな技術、セールスおよびマーケティングチームを通じ、産業界のニーズを満たす新技術やソリューションを提供するために、加工メーカー、OEMやエンドユーザをサポートして参ります。」とコメントしている。