米ロジャース社、ビクトレックス社のAPTIV®フィルムを用い 接着剤を使用せずに金属箔とのラミネートによる 積層板の製造技術を確立

APTIVRフィルムと銅箔を積層したロジャース社の多層プリント配線板2011年3月23日 – VICTREX® PEEK™樹脂およびVICOTE®コーティング(ヴァイコート)、APTIV®フィルム(アプティブ)をはじめとした高機能性材料を販売するビクトレックスジャパン株式会社(社長:アンドリュー・ストーム、本社:東京都港区)は、ハイエンド特殊材料を手掛ける米ロジャース社(Rogers Corporation)が、VICTREX PEEKを原材料とする高耐熱性APTIVフィルムを用いて、接着剤を使用することなく金属箔張積層板を製造する技術を開発したことを明らかにした。

樹脂フィルムに銅やアルミなどの金属箔をラミネートした積層板、特に銅箔を利用した銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)は、半導体産業においてFPC(フレキシブルプリント基板)用途に広く利用されている。一般的に樹脂フィルムと金属箔との貼り合わせには接着剤が利用されているが、接着剤は高温多湿および薬品などの環境にさらされることで物性が劣化し、製品不良の原因となる積層板の層間剥離が懸念されている。こうした問題を解決するためロジャース社では、接着剤を使用せずにAPTIVフィルムと金属箔や他の材料を加熱圧着によってロール・トゥ・ロールや平板形状に直接ラミネートする独自技術を開発したものである。

また接着剤を使わないことで、製造工程で発生するVOCs(揮発性有機化合物)を低減し環境に配慮した製造工程を実現する上、全体的な使用材料の総量が低減できシテスムコストの削減が可能となる。さらに接着剤による絶縁層を排除できることで積層板の熱伝導率が向上可能である。加えて積層板の厚みと重量を最大50%増加させている接着剤を不使用とすることで、積層板の厚みを低減しデバイスの薄型化小型化に貢献できるといった多くの利点が得られる。

APTIVフィルムの優れた特性は、ロジャース社が得意とする高周波レーダーやテレコミュニケーション用回路アプリケーションといった分野に加え、さらなるマーケットの拡大に貢献する。ロジャース社では「この高機能フィルムは200°Cという非常に高い連続使用温度が求められる用途で使用でき、最高280°Cに達する鉛フリーはんだ処理温度にも耐えることができます。」と話しており、加えて「APTIVフィルムは高耐熱性、高耐薬品性、低吸水率、電気絶縁性といった特性を併せ持つため、当社が開発した接着剤を使わない積層板は、高信頼性が求められる自動車のエンジン回り用途、信頼性と休止時間の回避が求められる石油やガスの掘削用途、優れた性能や軽量化が求められる航空宇宙用途といった様々な過酷な環境で使用されるアプリケーションに最適な素材です。」としている。

ロジャース社ではこのたび開発した接着剤不使用の積層板を生産するため、新たな製造ラインを同社ベルギー・プラントに設置しており、同ラインは最大ロール長さ400mで最大厚み0.25mmの積層板をロール・トゥ・ロール構造で生産できる。ロールからプレート状に切り出す場合は、最大幅0.61mで長さ1.22mの製品が加工可能。またロジャース社は、幅0.61mで長さ0.46mもしくは幅0.46mで長さ1.22mという2つのサイズで平坦なプレスパネルを加工でき、最大厚みは1.5mmである。いずれの工程でも、APTIVフィルムを銅、真鍮、アルミニウムなどの金属箔およびアラミドやガラス繊維織物などの他材料との積層が可能である。

ロジャース社は「当社では、APTIVフィルムと銅もしくはアルミ箔を片面もしくは両面に積層したフィルムを標準品としてラインナップしています。この他にも様々な構成で積層させる事ができ、例えばA-B、A-B-AおよびB-A-B構造の積層板を生産できます。また、このプロセスは異なる材料を用いた3層構造だけに限定されるものではありません。当社は接着剤を使わずに、必要材料とAPTIVフィルムを顧客の最終用途の要件に併せた構造にラミネートすることができます。」とコメントしている。


ロジャース社について:
ロジャース社(NYSE:ROG)は、家電製品、パワー・エレクトロニクス、公共交通、持続可能エネルギー、電気通信インフラなど高性能や信頼性が求められる特殊材料およびコンポーネントに関する世界的なリーディング・カンパニーである。175年以上に及ぶ物質科学とプロセス工学の経験と知識を持つロジャース社は、過酷な要求特性が求められる製品に向けたソリューションを提供している。ロジャース社が手掛ける製品には、高速デジタル、パワーアンプ、アンテナやレーダーシステム向け先端基板材料、また高電圧の鉄道用途、ハイブリッド車、風力や太陽光エネルギー変換向けパワー・エレクトロニクス、そしてスマートフォン、航空機や鉄道の内装、自動車や衣料品などのシールやエネルギー管理向け高性能フォーム、さらには防衛、民生品、コンピュータなどの様々な市場に向けた先端材料などがある。米コネチカット州に本社を置くロジャース社は米国、ベルギー、中国、ドイツおよび韓国に製造拠点を構え、世界各国に合弁会社と営業所を有している。
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