ソルベイとEssex Furukawa社の革新的なキータスパイア® PEEKマグネットワイヤー技術が受賞

ボラーテ(イタリア)、2018328日 – 特殊ポリマーの世界的大手サプライヤーであるソルベイは、Essex Furukawa Magnet Wire Europe(EFMWE)社とともに、次世代型自動車向けマグネットワイヤーの開発で、Magna Powertrainの表彰を受けました。Magna社では、自動車向け電気モーターおよびハイブリッドモーターの生産における要求の厳しい課題に取り組み、前進できる革新的アイデアを募ってきました。受賞した共同開発のコンセプトは、走行用電気モーターに関するEFMWE社のHigh Voltage Winding Wire™(HVWW)技術と、ソルベイのキータスパイア® PEEKポリマーによる絶縁被覆を組み合わせたものです。

二次審査に進むことができたわずか7つの革新的コンセプトのうちの1つとして、ソルベイとEFMWE社の共同応募技術がMagna社のInnovation Committeeの最優秀賞を受賞しました。

キータスパイア® PEEKワイヤー絶縁は、押出成形加工を使用して被覆され、マグネットワイヤーにおいてこれまでにない程の性能レベルを達成できます。特に、被覆されたエナメルワイヤーは、きわめて高い耐熱性および耐薬品性を有し、600Vを超える高電圧で動作可能である点が優れています。これにより、モーターの小型化設計が可能になった結果、省スペース化と軽量化に加え、全体的なシステムの高効率性が実現します。この技術により、従来の高機能走行用電気モーターと比較して、組み立ての作業工程数も削減されます。

「この共同研究の成果は、顧客の技術最適化と革新プロセス促進を支援するという当社の献身的な取り組みを象徴するものです。」と、ソルベイのSpecialty Polymers global business unitでArea Development manager, Automotive Europeを務めるAndreas Lutz氏は述べています。「この重要な用途において業界最先端のPEEKポリマーが成功を収めたことを大変嬉しく思います。これは、当社顧客との集中的なパートナーシップによって創出された真の価値の好例です」。

この新技術は、既存の制約を克服するために業界リーダーが実施する共同研究によって達成された利点を実証するものであり、従来より高電圧、高電流で駆動する大型走行用電気モーターの高耐久性化、高効率化、小型化を実現することによって具現化されています。また、自動車工学を大きく前進させるための製品化の時間も速くします。

電動パワートレインは、自動車革命の主要な促進力の1つであり、特にハイブリッドおよび完全電気自動車のモデルにおいて、車両の設計および製造に重大な変化をもたらします。

® キータスパイアはソルベイの登録商標です。
™ HVWWFurukawa社の商標です。


Essex Furukawa Magnet Wire Europe GmbH
Essex Furukawa Magnet Wire Europe GmbHは、Superior Essex社(米国ジョージア州アトランタ)の一部門であるEssex Magnet Wire Inc.と古河電気工業株式会社(東京)の合弁事業として2017年に設立されました。この合弁事業会社は、バート・アロルゼン(ドイツ)にある本社と生産施設で操業を行っており、自動車の電気モーター向け高性能高電圧ワイヤーシステムに特化しています。

Essex Group, Inc. について Superior Essex, Inc.
Superior Essex社は、家庭、データセンターから電気自動車、携帯端末まであらゆるものの電力供給および接続を担う銅・アルミ線・ケーブル製品を製造・販売する会社です。85年にわたり、Superior Essex社はマグネットワイヤー/巻線、通信および関連市場に製品を提供してきました。Essexの子会社は、北米および欧州の市場でトップシェアを誇り、自動車、産業、エネルギー、商業、住宅の市場に、7か国の拠点からシームレスな製品供給とサービスを提供しています。顧客の課題解決に専念すると同時に、当社の世界中のコミュニティーにプラスの影響を与えるSuperior Essex社およびその各部門は、技術、持続可能性、革新の境界線を絶えず押し開いて進んでいます。詳細については、superioressex.comをご覧ください。

古河電気工業株式会社(www.furukawa.co.jp)は、1884年に事業を開始し、同年に鎔銅所および電線製造所が開設されました。それ以降、通信、エレクトロニクス、自動車、建設をはじめとする広範な産業における課題に対応する最先端技術の先駆者として台頭してきました。