ソルベイの新しいOmnix™ HPPA長ガラス繊維グレードが、厳しい稼働環境に曝されるパーツ向けの金属代替として求められる課題を克服

イタリア、ボラーテ、2017年3月14日 – 高機能材料の世界的サプライヤーであるソルベイは、二つの長ガラス繊維含有率が、それぞれ50パーセントと60パーセントの高機能ポリアミド(HPPA)Omnix LF-4050とOmnix LF-4060を発表し、特殊ポリマー製品のラインナップを拡充しています。これらの材料は、今なお金属の使用が一般的な永久荷重や実働荷重を受ける分野に最適です。

Omnix™ HPPA長ガラス繊維グレード

性能値は、同じガラス繊維を充填した短繊維強化Omnix™ に対する改善率(パーセント)です。 Omnix™ 長ガラス繊維高機能ポリアミド(LF HPPA)は、衝撃強さと剛性が大幅に向上しており、金属代替用途として最適な材料となっています。(グラフ:ソルベイ提供)

Omnix HPPAは、PA66では高温または耐加水分解性の限度を超えてしまうような用途に採用されています。新しいOmnix LFグレードもこれらの限界を克服しており、ソルベイの現行の高機能ポリアミド製品群を補強する有力製品となります。

Omnix LF-4050とOmnix LF-4060はどちらも、先進輸送手段、自動車、家庭用機器、スポーツ・レジャー、機械・生産工学市場で、永久荷重や厳しい稼働環境下で使用されるコンポーネントに対し、金属に対抗しうる費用対効果を実現しています。この新しいOmnix LFグレードにはナチュラル色と黒色があり、現在、全世界で市販されています。

「金属代替製品は新たな段階に入りました。設計自由度や加工効率、表面品質を損なうことなく、現行の最適化された短繊維強化熱可塑性樹脂の性能限界を打ち破ることができるプラスチックの需要が高まっています。」と、ソルベイのSpecialty Polymers Global Business UnitでGlobal Business Development Manager – Long Fiber Thermoplasticsを務めるDr. Eric Martin氏は述べています。「LFT技術は、これらのニーズに応えるものであり、今では金属ダイカスト部品やアセンブリの有効な代替手段として受け入れられています。ソルベイのポリマー製品群にLFT技術を適用すれば、既存の射出成形用材料にも軽量化の可能性が広がることは間違いありません。こうした戦略によって、高温での剛性維持、衝撃強さ、耐疲労/耐クリープ性など、高度な技術が必要とされるコンポーネントの腐食や重量削減の課題にも対処できるようになります。」

LFT技術の特徴は、完成した成形品の内部に三次元長繊維スケルトンの絡み合いが形成されることです。この特徴によって、き裂伝播を阻止しながら、剛性と靱性の独特な組み合わせや卓越した寸法安定性が実現します。

標準の強化Omnix 製品の特性と比較した場合、Omnix LFグレードの延性は、材料の剛性はそのままに、最大350パーセントも高いノッチ付きおよび多軸方向の衝撃強さを示します。こうした改善は、従来の耐衝撃改良剤では不可能なものです。一般に耐衝撃改良剤のエラストマー特性は素材の剛性を低下させるためです。

さらにOmnix LFグレードは、熱および湿度の影響を受けても高い特性保持効果を発揮します。標準的なガラス充填HPPAと比較して、LFT技術は23℃での剛性を10~15パーセント増大させますが、母材樹脂のガラス転移温度をはるかに上回る120℃での剛性は85パーセントも増大します。

その上Omnix LFグレードは、高温・高負荷下での耐クリープ性が短繊維HPPAよりも大幅に優れており、パーツ内部に形成される長繊維スケルトンの絡み合いの有効性を実証しています。Dr. Eric Martin氏は次のように付け加えています。「こうした長期性能のメリットは、さまざまな市場において、永久負荷を受けるコンポーネントの信頼性あるポリマーソリューションを開発する際にとても重要となります。また興味深いことに、この新しいグレードはどちらもそり変形が非常に小さく、水温調金型への対応も維持されます。」

現在ソルベイでは、長繊維フィラーを含有するアモデル® ポリフタルアミド(PPA)、Ixef® ポリアリールアミド(PARA)、ライトン® ポリフェニレンスルフィド(PPS)など、他の特殊ポリマーにもLFT技術を適用しつつあり、それによって射出成形などの経済的な加工技術を維持しながら、高付加価値の特性を有する一連の独特なソリューションを提案しています。

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