シュロニガージャパン、同社初のレーザーケーブルストリップ装置「Mercury-4(マーキュリー4)」の販売を開始

  • さまざまな外形状の電線ケーブルを、導線に一切傷付けず、その他被覆を瞬時に切除
  • シュロニガーの豊富な加工装置と連動し、目的に応じた統合加工システムも構築可能

東京 – 2017年1月13日 – ワイヤー・ケーブル・ハーネス加工装置の専門メーカーであるシュロニガージャパン株式会社(代表取締役:木鎌三千雄、所在地:東京都稲城市、本社:スイス)は、レーザーを用いることで、コア電線を一切傷付けることなく保護被覆の切除が可能なレーザーケーブルストリップ装置「Mercury-4(マーキュリー4)」を開発、2017年1月18日から東京ビッグサイトで開催の「インターネプコン展」において同製品を展示紹介し、日本国内での販売を開始する。

Maercury-4電線ケーブルは、電気信号が流れるコア電線を樹脂製の保護被覆で覆った構造になっており、コア電線に端子を取り付けるもしくは基板に直接はんだ付けするなどの方法で利用される。このため、電線ケーブル端部の保護被覆を切除してコア電線を露出させるストリップ加工が必要になる。一般的には、保護被覆の外周に金属刃(カッター)で切り込みを入れ引きちぎるように被覆を剥くストリッパー装置が広く用いられており、金属刃でコア電線を傷つけることのないよう、保護被覆の厚みを考慮した上で切断距離を微調整し利用している。しかしながら、外径が極めて細く保護被覆が薄い電線ケーブル、断面が円形状でないフラットリボンケーブルやツイストペア(撚り線)などは、保護被覆のみの切除が非常に困難で、コア電線を傷付けないための慎重で時間を要する加工となっていた。

ストリップ工程でコア電線を傷付けた場合、電流の漏えいや火災事故の原因となるため、電線ケーブルの不具合が直接人命に関わる医療や航空機といった用途では、高速高精度なストリップ加工技術が求められている。特に航空機分野では、コア電線に対する微細な傷も認められないため、レーザーを用いた装置もしくは航空機メーカーの認証を受けた装置の使用と工法が必須となっている。今後は、急速に電子化が進む自動車用途においても、こうした加工ニーズが求められるものとみられている。

シュロニガーが開発したMercury-4は、切り込みを入れる対象の素材に合わせてレーザーの種類を変えることで、目的以外の素材を誤って切断することがない。こうしたレーザーの特長を生かすことで、フラットリボンケーブル、多芯ケーブル、同軸ケーブル、ツイストペアなど様々な形状の電線ケーブルに対応でき、素早く高精度なストリップ加工を可能としている。さらに、レーザーを用いた非接触加工であることから金属刃の摩耗や消耗が発生せず、メンテナンス頻度が大幅に低減する。

シュロニガージャパンの木鎌社長は「電線ケーブルの加工は、電線ケーブルを所定の長さに計測し、それを切り揃えてストリップ、その後加工端の品質を検査する、そして端子圧着、導通検査といった工程からなります。このたびマーキュリーの販売を開始することで、シュロニガーはお客様の更なる加工ニーズに合わせたソリューションをご提案できるに至ったことをご評価いただければ幸いです。」と話している。

Mercury-4は被覆材を含めた最大外径5.0mmまでの電線ケーブルに対応し、保護被覆の切断長は0.5mm~50mm、さらにケーブル中央部(端部以外)に最長50mmまでのスリット加工(中剥き)を施すことができる。また被覆材の厚さや切断長など電線ケーブルによって異なる切断寸法のパラメータを最大1,000件までメモリ保存可能で、加工工程を記録することもできる。個々の作業プログラムを本体カラータッチスクリーンから選択する直感的な操作性を実現しているため、誰でも簡単に操作可能である。

Mercury-4の参考価格は498万円、発売初年度の販売目標は10台(日本国内)を見込んでいる。