SABIC、再生可能原料をベースとするLEXAN™ポリカーボネート・フィルムおよびシートの製造工場がISCC認証を取得

日本・東京、2021年8月17日 – 化学業界のグローバル・リーダーであるSABICは、オランダのベルヘン・オプ・ゾーム(Bergen op Zoom)にある同社ファンクショナルフォームズ本部の工場が、認証再生可能原料をベースとするLEXAN™(レキサン)フィルムおよびシートの製造において、ISCC(国際持続可能性カーボン)PLUS認証を取得したことを明らかにした。再生可能原料をベースとするフィルムおよびシート製品は、現在SABICが取り組みを進めているTRUCIRCLE™ソリューションの一環であり、要望が高まるプラスチック循環経済において、より持続可能な材料ソリューションを求める世界的な需要増加に対応するものである。

LEXANフィルムおよびシートの製造工場がISCC認証を取得ベルヘン・オプ・ゾームで、SABICのファンクショナルフォームズ本部の電気電子フィルムの欧州セグメントリーダーを務めるBart Kiekensは、「私たちは、再生可能ポリカーボネートをベースとしたフィルムおよびシート製品において、業界で初めてISCC PLUS認証を取得できたことを誇りに思います。これにより、当社のLEXAN™フィルムおよびシート製品のお客様に、環境バランスを強化し、意欲的な持続可能性目標の達成に向けた有効な代替手段を提供することができます。」と話している。

ISCC PLUS認証は、事前に定義された透明性のあるルールに従い、マスバランス方式による会計システムによって、原料から最終製品までの複雑なサプライチェーンにおけるマテリアルフローを追跡して認証される。また、このルールによって、製品が再生可能もしくは循環型に分類できるかが決定される。SABICの場合、化石ベースの原料に代えて、再生可能または循環型の原料1トンを生産プロセスに投入すると、生成された材料の約1トン分が再生可能または循環型として分類されることになる。また、マスバランス手法を適用することで、OEMメーカーは、これらの認証材料を採用した製品の持続可能性を文書化および数値化することができる。

さらにSABICでは、ライフサイクル分析(LCA)を実施し、生体炭素測定に関するPAS[1] 2050方法論に従い、「Cradle to Gate(原料入手から製品出荷までの二酸化炭素排出量)」および「Cradle to Gate + end-of-life(寿命の終わり)」を対象に、従来の化石ベースのルートと比較した再生可能ルートの環境性能を評価した。その結果、認証再生可能原料をベースとしたSABICのポリカーボネート樹脂1kgにつき、化石資源の枯渇を最大35%緩和するとともに、二酸化炭素排出量を最大60%削減できる可能性のあることが示された。これは、気候変動に及ぼす自社製品の影響を低減しようとするSABICの取り組みにも大きく貢献するものである。

SABICの欧州フィルム&マストランスポーテーション部門のプロダクトマネージャーであるAlda Shabanajは、「当社の新しいバイオベースのLEXANフィルムおよびシート製品は、原材料であるポリカーボネート樹脂の一部に、食物連鎖と直接競合しない第二世代原料を使用して製造されています。このようにして完成した材料は、耐久性とリサイクル性を備えた応用ソリューションとして、当社のお客様のさまざまな産業における価値創造に貢献します。これが当社の掲げる『CHEMISTRY THAT MATTERS™』の理念です。」と付言している。

認証再生可能原料をベースとして、ベルヘン・オプ・ゾーム(オランダ)で製造されるSABICの革新的なLEXANポリカーボネート・フィルムおよびシート製品は世界中で入手可能であり、建築・土木、電気電子、自動車、マストランスポーテーション、特殊ガラスなど多岐にわたる市場において、要求の厳しい用途で利用されている。

SABICの認証再生可能LEXANポリカーボネートシートおよびフィルム技術の詳細はこちらを参照。


[1] 二酸化炭素排出量測定の公開仕様書です。