低床化により作業性・操作性を大幅に向上したハイブリッド式竪型射出成形機を受注開始

2019年4月24日 – 日精樹脂工業㈱(社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町)は、このほど、業界トップクラスの低床化を実現した型締力2,110kN(220トン)のハイブリッド式竪型射出成形機「TWX220RIII25V」を開発、5月1日から受注を開始します。 

この「TWX220RIII25V」は、自動車や電子部品など幅広い分野におけるインサート成形向けで業界トップクラスの販売実績を誇るハイブリッド式竪型成形機「TNX-RIIIシリーズ」をベースに、新複合式型締機構を搭載し、機械全体の低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機です。

本機の最大の特長は、機構のコンパクト化を図るため、これまで高速型締から高圧型締まで1つの型締シリンダで行っていた型締動作を、早送りシリンダと高圧型締シリンダ、ハーフナット機構からなる複合型締機構によって行う点です。これにより、金型取り付け面高さを従来機比で約30%減の1,000mmとし、金型取付けなどの段取り替え作業やワークインサート・製品取り出しの作業性が大幅に向上しました。また、機械全体の高さも約10%低く抑えており、成形工場の設置スペース(高さ方向)の融通性も向上しています。

そのほかの特長としては、

  1. 均一な型締力を伝達できる直圧式型締機構を搭載。温度変化の影響を受けにくく常に設定値通りの安定した型締力を伝達できるほか、金型に優しい適正(低)型締力設定が容易であること、またシンプルかつクリーンな機構は、長期にわたり機械精度を維持します。
  2. 新複合型締機構により、作動油量を従来機よりも52%削減(省資源、コスト削減)。
  3. ベッド構造の最適化により自動機のフレキシブルなレイアウトが可能で、取出機や多関節・双腕ロボットなど、個々の成形品や成形工程に適した自動化システムに柔軟に対応できます。また、金型取付面の3ステージ化も容易に対応可能な設計としています。
  4. 3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブルとしているほか、型開閉ストロークおよび最大型開距離を100mm延長しており、複雑化・大型化する金型に対応します。
  5. 回転盤やエジェクタ動作はサーボモータ駆動とし、サイクル短縮を図るとともに、スムーズな機械動作と回転停止精度を実現しており、これにより、インサート成形時のワークのズレなどを防止できます。

本機に搭載されているコントローラ「TACTIV」の特長

  1. 15インチカラー液晶のタッチパネル画面。上下の2画面表示により、視認性や操作性が大幅に向上。
  2. 稼動履歴や成形モニタデータによるトレーサビリティを容易にしたことで、品質・生産管理機能が向上しているほか、充実したメンテナンス機能を搭載。
  3. 制御周期は500µsの高速制御で、小容量微細成形ほど威力を発揮します。
  4. 6ヶ国語表示を標準装備(日・英・中・西・韓・タイ)。
  5. LANおよびUSBコネクタを標準装備。

昨年10月に開催された名古屋プラスチック工業展に参考出品したところ、自動車部品サプライヤーなど竪型機ニーズの高い東海地区にあって、従来竪型機の概念を覆すコンパクト設計に、数多くの評価の声をいただきました。

標準本体価格は、消費税別で、3,150万円。年間40台の販売を見込んでいます。

 

【本機と旧型機との高さ比較】

左・新型TWX220R型、右・旧型220tタイプ

TWX220RIII25V型