日精樹脂工業、主力機種のハイブリッド式射出成形機 「PNX・FNX」の2シリーズをモデルチェンジ

「PNX40Ⅲ」

「PNX40Ⅲ」

2013年4月24日 – 日精樹脂工業㈱(社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町)は、このほど、電気式射出成形機に並ぶ主力機種であるハイブリッド式射出成形機「PNXシリーズ」と「FNXシリーズ」のモデルチェンジを実施、5月1日から新たに「PNX‐Ⅲシリーズ」と「FNX‐Ⅲシリーズ」として販売を開始します。

今回モデルチェンジしたハイブリッド式成形機は、「PNX‐Ⅲシリーズ」が型締力405kN(40トン)と641kN(60トン)の2機種、「FNX‐Ⅲシリーズ」が、型締力792kN(80トン)~4460kN(460トン)までの8機種の計10機種です。

今回の新ハイブリッド式成形機の主な特長は、高性能・高機能コントローラ 「TACTⅣ」の搭載です。

コントローラ「TACTⅣ」は、画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトの搭載により作業性・操作性が向上しているほか、品質・生産管理機能の強化を図っています。
「TACTⅣ」は、既に電気式成形機「NEX‐Ⅲ」シリーズに搭載されており、顧客より成形条件出しの容易さと成形立上げの簡素化が図られるとして、高い評価をいただいています。
主な特長は、
① 操作パネルはフラットシートとし、シートスイッチ方式を採用。
② 画面は15インチLCDの縦長配置で、上下に2画面を表示できるなど、視認性と操作性を大幅に向上。
③ 新機能の段取画面や設定器の説明表示機能などにより、金型取付から量産開始までの立上げ時間の短縮と、簡単・確実な操作を実現、など。

その他、ハイブリッド式成形機の特長としては、低圧型締性能に優れ、常に設定通りの型締力の伝達が可能な「直圧型締」機構と、回転数制御のハイブリッドポンプシステム「Xポンプ」を搭載している点です。「Xポンプ」は油圧式駆動の良さ(メンテナンスフリー、長寿命、低コスト)と電気式駆動の良さ(省エネルギー、高速射出、高応答性、高再現性)を併せ持ち、以下の特長があります。
① 消費電力が従来油圧式に比べ最大55%削減可能(電気式と同等クラスの省エネルギー性能)。アイドリングストップ機能搭載。
② 射出速度が1mm/sの極低速から高速領域までワイドレンジで、低速・低圧安定性に優れる。
③ 射出立ち上がり性能に優れる。
④ 高い射出保圧を長時間維持できる優れた射出保圧性能。
⑤ 従来油圧式に比べ作動油量を削減(最大で56%削減)。

また、今回の両シリーズには、低圧成形システム「N‐SAPLI」(オプション装備)の90日間お試し版ソフトをプリインストールしています。
本ソフトは、かねてより日精樹脂が提唱してきた「適正(低)型締力成形」(※)を一歩進化させ、型締力設定を重要な成形条件の一つとして捉えて適正にコントロールすることに加え、射出時のピーク圧を低減させることで、複雑化した成形条件を簡素化して作業者の負担を軽減するとともに、成形機や金型の長寿命化、成形不良の低減を実現する低圧成形法です。

日精では、この新ハイブリッド式成形機の型締力40トンタイプ「PNX40Ⅲ」を5月29日から大阪で開催される「PLATEX大阪2013」に出展し、初公開します。
会場では、低圧成形システムを用い、ヒケなどの成形不良の解消をテーマに実演を行います。その他、電力料金の値上げへの対応策として、成形工場の省エネルギー化に向けた各種の提案を行います。

PNX‐Ⅲ・FNX‐Ⅲシリーズの標準本体価格は、消費税別で、「PNX40Ⅲ」(型締力405kN)の730万円から「FNX460Ⅲ」(同4460kN)の2,820万円まで。
今回の10機種で年間約800台の販売を見込んでいます。

 

※補足説明
適正(低)型締力成形
必要最低限の型締力設定により成形を行う工法で、型締力も成形条件の一つと捉え、適正な設定を行うことにより、ガス逃げ不良やソリ、ウェルドラインなどの成形不良に対して改善効果があることに加え、過度な締め付けを行わないことで成形機や金型の長寿命化が可能となります。