日精樹脂工業、名古屋のプラスチック展示会に自動車向け用途を念頭に 電気式とハイブリッド式の成形機を出展

nissei2012年9月13日 – 日精樹脂工業㈱(社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町)は、10月2日から4日まで、名古屋市のポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される「名古屋プラスチック工業展 2012」において、最新の電気式ならびにハイブリッド式の射出成形機2台と成形関連商品を出展し、堅調な需要動向を示している自動車向け用途を念頭においた実演展示を行います。

出展機種概要

1.電気式射出成形機「NEX50Ⅲ-5EG」

昨年10月にモデルチェンジした主力機種の電気式射出成形機「NEX-Ⅲシリーズ」の型締力490kN(50トン)タイプ。
会場では、「自動車小物部品向けの小型精密成形」をテーマに、成形実演を行います。

NEX-Ⅲシリーズでは、成形条件出しの容易さの追求と成形立上げの簡素化が図られており、現在国内外のユーザーから高い評価をいただいています。そのモデルチェンジの最大の特長は、新可塑化装置(射出装置)ならびに新コントローラ「TACTⅣ」の搭載です。

新可塑化装置では、成形品の不良率低減を目的に、加熱筒温度制御ゾーンの細分化・最適化などの新設計により、可塑化性能の向上を図りました。

これにより、

① 省エネルギー
新設計のノズル・加熱筒における熱伝導の効率アップにより、昇温時間が 25%短縮し、消費電力を8%削減できます。
② 成形安定性の向上
成形立上げ時に発生しやすい樹脂温度のドリフト(バラツキ)を解消できるほか、PBT(非強化)、LCP、PA66、PCTA樹脂における可塑化の安定、PP樹脂における可塑化能力アップなど、様々な成形材料で優れた効果を発揮、不良率の低減、歩留まりの向上、生産性アップに繋がります。
③ 可塑化時間の短縮
後部ヒータを2ゾーン制御(細分化)としたことで、可塑化時間の短縮を図ることができます。

型締機構は、独自のフラットクランプ機構、型締力自動補正・ダイレクト型締力設定・高感度金型保護機能等の搭載により、直圧的なトグル機構を実現しています。このため、ハイサイクル特性などトグル機構のメリットを活かしながら、直圧式機構に近い特性を満たしており、均一な型締力の伝達や金型・機構精度の長寿命化を実現するなど、金型にやさしい機構となっています。

新コントローラ「TACTⅣ」は、画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトの搭載により作業性・操作性が向上しているほか、品質・生産管理機能の強化も図りました。

主な特長は、
① 操作パネルはフラットシートとし、シートスイッチ方式を採用。
② 画面は15インチLCDの縦長配置で、上下に2画面を表示できるなど、優れた視認性・操作性を実現。
③ 新機能の段取画面や設定器の説明表示などにより、金型取付から量産開始までの立上げ時間の短縮と簡単・確実な操作を実現、など。
電気式射出成形機「NEX50Ⅲ-5EG」

2.ハイブリッド式竪型射出成形機「TNX50R5V」

本機は、Xポンプ搭載ハイブリッド式竪型射出成形機の型締力523kN(53トン)のターンテーブルタイプ。
会場では、「汎用周辺機器による自動インサート成形」をテーマに、成形実演を行います。

「TNXシリーズ」は、優れた射出性能を発揮し、ランニングコストを低減する極限の省エネを実現した革新的なハイブリッドポンプシステム「Xポンプ」を搭載している点が最大の特長です。

TNX50Rでは、油圧従来機に比べて消費電力を約70%、作動油量を約25%削減しました。

このほか、Xポンプの搭載により、

①ワイドレンジな射出領域を確保。射出速度の高速化と射出立ち上がり時間(最高射出速度への到達時間)の高応答化も実現しており、流動長の大きな製品(端子BOXなど)や薄肉製品の成形に威力を発揮。
②従来の油圧機では不可能であった「1mm/s以下の速度設定」を正確に制御。また、極低圧領域での制御性・安定性も飛躍的に向上しており、肉厚製品やホットメルト(低圧封止)などの成形にも最適。
③Xポンプ搭載機では、電気式成形機が苦手とする「高い射出圧力を長時間保持する」ことが可能になり、肉厚成形品の品質向上に威力を発揮。

また、型締機構の特長としては、

①金型や成形機にやさしい適正(低)型締力設定が容易で、シンプルかつクリーンな直圧式型締機構を搭載。
②3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブルを搭載。製品形状の複雑化に伴う金型の大型化にも対応できるほか、作業スペースを広く確保していることから、段取り替えやワークインサートなどの作業性アップとロボット等による自動化にもフレキシブルに対応可能。
③ターンテーブルの回転動作とエジェクタ動作をサーボモータ駆動としており、高速かつスムーズ(低振動)な動作を実現。また、射出・計量とエジェクタの同時動作が可能で、サイクルアップを実現。など

日精樹脂では、これまでに10,000台以上の竪型成形機の販売実績があり、省力化や高付加価値化といったモールダーのニーズに合わせて、自動車部品や電気・電子部品、IT機器・家電など各種用途に対応した全自動成形システムを提案しています。

会場では、成形機2台のほかに金型関連の紹介として、試験片金型システム(カセット金型)や樹脂流動解析ソフトなどの展示実演も行います。

ハイブリッド式竪型射出成形機「TNX50R5V」

展示ブースは、3I-8。

 

[日精樹脂工業広報]

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