ポータブル機器用バッテリチャージャで、 10mW以下の超低スタンバイパワーを実現する、 一次側と二次側制御方式を採用したPWMコントローラを発表

FSJ_FAN302HL_Mar2011mWSaver™技術を取り入れ開発されたデバイスは、
電源回路で業界トップクラスの省電力特性を提供

2011年3月8日 – 携帯電話用バッテリチャージャは、通常コンセントに差し込まれたままで、実際には使用されていない場合がほとんどです。それでもコンセントからは電力を消費しており、エネルギー、そして消費者自身のお金を浪費していることに他なりません。設計者にとっての課題は明確で、いかにしてこれら機器のスタンバイパワーを削減するかにあり、その結果、国の規制を満足すると同時に、エネルギーの節約、消費者の浪費抑制等の効果が得られます。

フェアチャイルドセミコンダクタージャパン㈱(本社:東京都渋谷区、社長:雨宮隆久)は、このような設計者のチャレンジに応えるべく、バッテリチャージャ向け低スタンバイパワーPWMコントローラFAN302HLを発表しました。mWSaver™技術を取り入れたこの製品は、特許技術を用いてスタンバイ時の入力消費電力を10mW@230VAC、以下にまで抑え、エナジースター・プログラム、コンピュータ基準Ver.5を十分に満たします。

このPWMコントローラFAN302HLは、集積度を高め、従来のフライバック・コンバータに比べ性能を高めるいくつかの機能を備えています。500V JFETを内蔵したことにより、デバイス立ち上がり後、スタートアップ用の電流経路を絶ち無駄な電流消費を防ぎます。また、独自に開発した定電流制御方式は、二次側からの電流フィードバックを不要にし、簡潔なデザインを可能にしています。これは特にバッテリチャージャに使用される場合重要になります。

また、このデバイスは、出力ショート時にも対応し、確実に設定レベルで動作するサイクル毎のピーク電流リミット回路を始め、様々な保護回路を備えています。さらに、PWM出力ピンは、パワーMOSFETのゲート・ソース間電圧に高電圧が加わらないよう15Vにクランプされます。

FAN302HLは外部による二次側の過電圧保護回路(OVP)を必要としません。もしVSピンに対して過電圧保護回路が作動した場合、あるいは内部の過熱保護回路が作動した場合には、デバイスはACパワーが除かれるまでラッチモードでシャットダウンします。このように、出力電圧を厳しく制限(<6V)した上で、二次側のOVP回路を省略することが出来ます。

また、画期的な技術によりパワーMOSFETおよびPWM ICで発生するパワーロスを大幅に削減しています。定電流動作の場合、一次側でレギュレーション制御が行われ、二次側での電流センス回路が不要になる為、消費電力の削減、効率の向上に効果があります。独自に開発したバースト・モード動作は更にスタンバイパワーを削減します。

加えて、定電圧動作の場合には二次側によるレギュレーション制御が行われ、USB 2.0規格に準拠した優れたダイナミック特性が得られます。FAN302HLを使用することで従来のデザインあるいはリニアトランス方式に比べ少ない外部部品、低コストでバッテリチャージャを実現することができます。

FAN302HLは携帯電話用のバッテリチャージャをはじめ、スマートフォン、コードレス電話、DVD、セットトップボックス、PoE等の小型アプリケーションにも最適です。

また、EMIを軽減するため周波数ホッピング機能を備えた固定PWM周波数85kHzで動作し、8ピンSOパッケージで提供されます。

FAN302HLは、mWSaver技術を採用し、電源回路において最小の部品数で業界トップクラスの省電力特性を備えた製品ポートフォリオの一部です。フェアチャイルドセミコンダクタはこのような製品を提供することにより、お客様の革新的デザインの促進に貢献いたします。

フェアチャイルドセミコンダクタ:成功への確かな技術

価格:
US$0.50(1,000個購入時)

入手性:
サンプル出荷中

量産納期:
8-10週間

製品の各種資料はこちらをご参照ください。
データシート:
http://www.fairchildsemi.com/ds/FA/FAN302HL.pdf