クラリアント、SynDane®触媒が万華化学の新しい世界規模の無水マレイン酸プラントに採用

  • 万華化学(Wanhua Chemical)は、世界最大級となる200 KTA規模の次期無水マレイン酸プラント向けにクラリアントのSynDane触媒と、亜酸化窒素の削減を目的にEnviCat® N2O-Sを採用
  • 万華化学は、従来以上に高効率な新しい生産技術にSynDane触媒を使用することで、年間最大24,000 MWhのエネルギーを削減
  • 無水マレイン酸は、中国で需要が高まっている生分解性プラスチックの原料

独ミュンヘン、2022年7月22日 – クラリアントは、万華化学集団(Wanhua Chemical Group)の世界最大級となる新しい無水マレイン酸プラント向けに触媒を供給する大型契約を受注しました。同プラントは年間200キロトン(200,000トン)の無水マレイン酸を製造する計画で、製造プロセスにクラリアントのSynDane触媒が使用されます。同プラントは山東省煙台市に開設され、2023年の操業開始を予定しています。同市を拠点とする万華化学は中国最大規模の化学メーカーの一つであり、2020年の売上高では世界の化学メーカートップ30に入っています。

クラリアント_SynDane触媒が万華化学の無水マレイン酸プラントに採用万華化学のプラントは、新しい無水マレイン酸生産技術を世界で初めて採用します。この新技術は従来技術と比べて生産効率を改善すると同時に消費電力の削減を実現します。同技術のライセンサーであるConser社は、万華化学のプラントが生産1時間あたりのエネルギー消費量を2.5~3.0 MW削減できると試算しています。年間生産時間を8,000時間と仮定した場合、万華化学の年間エネルギー削減効果は20,000~24,000 MWhになります。

クラリアントの中国における触媒ビジネスユニット責任者であるジェイス・ワン(Jace Wang)は、「持続可能性はクラリアントの企業戦略における重要な側面であり、この意欲的かつ重要なプロジェクトにおいて万華化学を私たちの革新的な触媒でサポートできることを誇りに思います」と述べています。

クラリアントのSynDaneはこの新しい生産技術に適した触媒であり、マンエナジーソリューションズ社のDWE®リアクターを使用した性能試験によって確認されています。加えて、SynDane触媒は新しいプロセスの生産効率とエネルギー効率をさらに高め、圧力損失を非常に低く抑えます。しかも、その特殊な構造と化学組成によって無水マレイン酸に対する選択性を高め、製品収率を最大化します。

現在、中国では非分解性プラスチックの使用を段階的に廃止する過程にあり、今後は生物分解性プラスチックの需要が高まることが予想されています。無水マレイン酸は生物分解性プラスチックであるポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)およびポリブチレンサクシネート(PBS)の重要な原料です。PBATプラスチックは、低密度ポリエチレンプラスチックに似た特性を示しますが、土の中に埋めると自然界の微生物によって完全に分解され有害な残留物が発生しません[1]。PBSも高い生物分解性をもつプラスチックです。

もう一つのEnviCat N2O-S触媒は、万華化学が寧波に保有する既存硝酸プラント向けに選ばれました。EnviCat N2O-Sは強力な温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)を含む排ガスを高効率で浄化する触媒です。これにより万華化学は、排出されるN2Oの最大95%を無害な酸素と窒素に変換することができます。N2Oは二酸化炭素の300倍の悪影響を気候に及ぼすため、特にメーカーにとっては重要な問題となっています。クラリアントはこの温室効果ガスの悪影響を最小化するために、全世界の硝酸メーカー10社に対しEnviCat N2O-Sを無償提供するキャンペーンを開始しました。この触媒を使用することで年間400万トン以上のCO2相当量のN2O排出を削減することが可能になります[2]

[1] 出典:マンエナジーソリューションズ『MAN Reactor System for Production of Biodegradable Plastic』(2021年)

[2] N2O削減処理設置後の推定年間CO2相当削減量。CO2相当量はN2Oの地球温暖化係数を265として計算。出典:IPCC第5次評価報告書『気候変動2014』(第二作業部会)