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SABICイノベーティブプラスチックス、航空機内装部品向け炭素繊維強化Ultem*樹脂を発表

アルミよりも50%の軽量化と40%の高強度化を実現

Vaupell
SABICイノベーティブプラスチックスの最新炭素繊維強化Ultem*樹脂を使用したVaupell社のトレイ・テーブルアーム

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2010年6月15日

航空業界において軽量化は、燃料およびシステムコストの削減に寄与するため継続的に開発が 進められている。このたびSABICイノベーティブプラスチックスは、航空宇宙産業向け炭素繊維技術と Ultem*ポリエーテルイミド(PEI)樹脂との組み合わせによる新たな高機能コンパウンドを発表した。 この新たな炭素繊維強化Ultemは、航空機内装部品向けのアルミダイキャストやアルミ機械加工部品を代替し、 最大50%の軽量化を実現する最新ソリューションである。SABICイノベーティブプラスチックスは、 射出成形や組立で60年以上の経験を持つ世界的な委託製造業者である米Vaupell社と協力し、最新Ultem樹脂の 航空機座席用部品としての需要拡大に取り組んでいる。

SABICイノベーティブプラスチックスは、5月18日〜20日まで独ハンブルクで開催された 「航空機内装エキスポ2010」において、Vaupell社のトレイ・テーブルアームを展示紹介した。 同コンセプトモデルに使用されている炭素繊維強化Ultem樹脂は、アルミダイカストと比べ50%の軽量化と 最大40%の高強度化を実現しており、航空業界に向けて優れた競争力を提供すると共に最先端かつ環境性能に 富んだ素材開発に対する同社の取り組みを示すものである。

SABICイノベーティブプラスチックスのグローバル・プロダクト・ディレクターであるキャサリン・ヘスは、 「当社の新たな炭素繊維強化Ultem樹脂製品群は、航空機業界における顧客ビジネスの成長に貢献すると 同時に、厳しい課題の解決に向けた当社技術開発の成果を示す好例と言えます。Vaupell社のような 業界大手企業との連携によって、顧客の特定要件を満たす素材の開発を進めています。当社は、新たな 炭素繊維強化Ultem樹脂を通してさらなる技術的進歩を成し遂げ、世界のOEMメーカーにおけるコスト効率の 向上や軽量化に貢献できるよう尽力していきます。」と述べた。

Vaupell社のセールス担当バイスプレジデントであるマイク・ハムは、「SABICイノベーティブプラス チックスとの緊密な連携により、炭素繊維強化Ultem樹脂が航空機内装向けアルミニウムの代替材料に 適していることが分かりました。Ultem樹脂は、ますます厳しくなる内装部品に対する世界的規格に準拠し、 最高の機能を提供する優れた素材です。炭素繊維強化Ultem樹脂は、大幅な燃費向上を可能にする部品の 軽量化に貢献するだけではなく、次世代航空機に向けた最高素材を求める航空業界の要求を満たすために 様々な優れた機能をバランスよく提供します。」と述べた。

20年以上続いた最高性能を一新

炭素繊維強化Ultem樹脂は、FAA可燃性FAR 25.85やOSU 65/65の煙濃度および放熱要件に準拠するため、 航空機内装向けの採用が進んでいる。同炭素繊維強化Ultem樹脂グレードは、トレイ・テーブルアームの 他にも、アームレストやフットレスト、コーヒーメーカーのシャーシといったギャレー用品に適している。 Vaupell社では、今年後半に負荷能力試験と疲労試験の実施を予定している。

SABICイノベーティブプラスチックスは、炭素繊維の含有量を変える炭素繊維強化Ultem樹脂技術に よって、特定の機能要求を満たしている。この取り組みは、同社のLNP*特殊コンパウンドチームとUltem樹脂 技術チームとの緊密な連携により実現したもので、アルミニウムと比べて最大40%の高強度化を達成するなど、 各航空会社の軽量化に対するニーズに応えている。航空機グレードの炭素繊維は、アルミダイカスト グレード2024-0(27 PSI)およびアルミ機械加工(強化)グレード7075-0(33.1 PSI)に対して、 38.3 PSIという極めて優れた引張強度を提供する。連続長繊維は、優れた強度と耐衝撃性を提供する。

Ultem樹脂は非常に優れた引張強度を有しており、比重(SG)は航空機グレードのアルミニウムの 約50%である。(2024-0:2.78 SG、7075-0:2.81 SG、炭素繊維強化Ultem樹脂:1.44 SG)

炭素繊維強化Ultem樹脂グレードは、アルミ代替による軽量化に加え、機械加工や二次加工が 不要なため、製造工程の合理化やシステムコストの低減にも貢献する。また、部品の統合によって 不良発生箇所を減らせると共に金属よりも高いデザイン自由度によって部品統合が可能となる。 さらに同製品は従来の2倍の流動性を持つため、生産性の向上に加えて、大幅な軽量化に寄与する 薄肉成形が可能となる。

最新Ultem樹脂は射出成形に加え、ギャレー・ストレージ用パネルといった製品の押出成形に も適している。これらの成形品は、粉体塗装、着色やメッキ加工が可能である。

SABICイノベーティブプラスチックスの航空機向けUltem樹脂の詳細については、 以下のサイトを参照下さい。
www.sabic-ip.com

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。


SABICイノベーティブプラスチックス社について:

SABICイノベーティブプラスチックスは、熱可塑性エンジニアリングプラスチックスのグローバルサプライヤーであり、75年にわたり、 顧客が直面する大きな課題を解決する画期的なソリューションを提供してきました。現在SABICイノベーティブプラスチックスは、数十億ドル規模の 企業であり、25か国以上に事業展開し、全世界で9,500人を超える従業員がいます。SABICイノベーティブプラスチックスは、顧客との コラボレーションや、新たなポリマー技術、グローバルアプリケーション開発、加工技術、および環境に配慮したソリューションへの継続的な 投資により、自動車、エレクトロニクス、建築/建設、輸送、医療などの幅広い市場をターゲットに、今後もプラスチックス業界のリーダーで あり続けます。当社の幅広い製品ポートフォリオには、熱可塑性プラスチックス、コーティング、特殊コンパウンド、フィルム、シートなどが あります。SABICイノベーティブプラスチックスは、世界の5大石油化学製品メーカーの1つであるサウジ基礎産業公社 (Saudi Basic Industries Corporation: SABIC)の100%子会社です。


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