SABICイノベーティブプラスチックス
Flexible Noryl*樹脂が中山江友電機のDCチャージャーとデータ・ケーブルに採用

Flexible Noryl樹脂は、PVCなどのハロゲン化素材が環境に与える影響を懸念する顧客にソリューションを 提供するだけでなく、難燃ポリエチレン（FR-PE）などの他のハロゲン・フリー素材よりも優れた柔軟性や 機械的特性、加工性などをバランス良く提供する。加えて同製品は優れた耐室内紫外線（UV）性能を持つため 色あせや劣化に強い。

中山江友電機の社長であるサニー・ウーは「SABICイノベーティブプラスチックスとのコラボレーションに よって、環境意識の高い家電産業において高い競争優位性を獲得することができました。当社がFlexible Noryl 樹脂を採用した理由としては、室内紫外線光に対する優れた安定性、白色ケーブルの黄変を低減可能、ハロ ゲン・フリーの難燃化技術を用いた環境に優しい製品であることなどが挙げられます。SABICイノベーティブ プラスチックスのソリューションを活用したことで、当社顧客からは、新鮮でデザイン性の高い外観を持ち 非常に優れた機能性を提供する白色ケーブルを非常に高く評価して頂いています。」と述べた。

PVC代替素材として顧客のハロゲン削減目標の達成を可能にするFlexible Noryl樹脂

これまで中山江友電機ではケーブル製品にPVCを使用してきたが、こうしたワイヤーやケーブルに用いる 被覆素材の環境性能を考慮した結果、ハロゲン・フリーでの難燃性に加え、生産コストを抑えるために既存の 押出成形機械が利用可能な代替素材への切り替えを決めた。この代替素材には、引張強度や引張伸び、柔軟性 や熱老化、冷間曲げ特性やカスタムカラーといった要件が求められていた。中山江友電機は、長年にわたる 協力関係に加え、以前にもFlexible Noryl樹脂をDCチャージャー用ケーブルに採用した実績があることから、 再びSABICイノベーティブプラスチックスにソリューションを求めた。

これに対しSABICイノベーティブプラスチックスは、Flexible Noryl樹脂の2つの新グレードとしてケーブル 被覆用の「WCD801AU」とケーブル部品成形用の「WCP821U」を提供した。同製品は、上海にあるSABICイノベ ーティブプラスチックスのチャイナ・テクノロジー・センターで実施されたASTM D4459テストに基づく紫外 線耐候性試験において、300時間のCWF2光源暴露後のカラーシフトのデルタE値が3以下であった。

SABICイノベーティブプラスチックスの中国でNoryl樹脂を担当するゼネラルマネージャーのウイルソン・ チャンは「SABICイノベーティブプラスチックスは、顧客の環境に対する不安を解消するFlexible Noryl樹脂 のような先端素材ソリューションの開発に注力しています。Flexible Noryl樹脂は、厳しい要件が求められる ワイヤーやケーブル製品において、顧客の高い環境性能基準を満たすと共に優れた色安定性を提供します。 このアプリケーションは、環境問題に対する先進的なソリューションやデザイン性の高い製品の開発に向けて 顧客と密接に連携するSABICイノベーティブプラスチックスの取り組みを示しています。」と述べた。

Flexible Noryl樹脂は、中山江友電機が求める全ての機能や環境基準を満たすだけでなくPVCよりも比重が 低いことからケーブル製品の軽量化にも寄与している。Flexible Noryl樹脂は、わずかな調整により従来設備 を利用して押出成形が可能である。

SABICイノベーティブプラスチックスのFlexible Noryl樹脂は、VW-1難燃性に関してUL 80 dc等級を達成 するほか、80〜89のショアA硬度を持ち、様々なレベルの柔軟性にカスタマイズできる。同樹脂は優れた加工性 や高い生産性を実現し、二次加工が不要である。

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。